整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

やはり難しい大腿骨頭壊死のTHA


今日も朝から体中の筋肉が痛いです。
原因は一昨日の人工股関節全置換術(THA)だと思います・・・。


今回の方の原因疾患は、特発性大腿骨頭壊死症(ION)でした。まだかなり若いのですが、type C-2、stage 3bなので大腿骨頭前方回転骨切術(ARO)の適応はありません。


やむを得ずTHA施行となったのですが、若いだけあって骨質が良好でした。「良好」と書けば響きが良いですが、術者サイドから見ると、とにかく骨が固いのです。


私は、通常のOAよりもIONの方が、手術の難易度が高いと思っています。理由はいろいろありますが、寛骨臼側のカップ設置の難しさも要因のひとつだと考えています。


通常のOAと同様に1mm underまでリーミングしてカップのインパクションを行いましたが、全く寛骨臼内に収まる気配がありませんでした。やむを得ずsame sizeのリーミングを行いました。


しかし、same sizeでリーミングしたにも関わらずカップがインパクションできないのです!渾身の力を振り絞って叩打して、何とか寛骨臼内にカップが納まりましたが、冷や汗をかきました。


整復の際にも患者さんの筋肉量が多過ぎて、なかなか整復できませんでした。全身の力を振り絞って何とか整復したものの、術後は疲れてしばらく動けませんでした・・・。


やはり若年者のIONは手技が難しいし、相当体力を消耗します。しかし2日も手術による筋肉痛を引きずるのは、私の体が鈍っている証拠なのかもしれませんね(笑)。



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小柄な方のハンソンピンは要注意


昨日の午後は、大腿骨頚部骨折に対する関節内骨折観血的手術でした。
私は、ハンソンピン(正確にはHOMS技研のSB FIX)を使用しています。


ハンソンピンは髄内釘やCHSと比べて刺入部位や角度を自由に設定できることがメリット(?)ですが、昨日の例ではこのメリットを生かし切れずに失敗しそうになりました。


患者さんはかなり小柄な方だったのですが、深く考えることなく通常通り、刺入角度を頚体角に合わせてリーミングしました。計測の結果、近位側のピンの長さが63mmでした。


60mmにするか65mmにするかを少し迷ったのですが、特に気にも留めずに「65mmを出してください」と言ったのですが、よくよく聞くと65mmが最も短いピンだったようです。


幸い、2本とも既製品での対応が可能でしたが、刺入角度が小さかったら60mmしか挿入できなかったかもしれません・・・。私の頭からピンの長さに下限があることが抜け落ちていたのです。


ハンソンピンの際には、小柄な方は頚体角よりもやや大きめの角度で刺入することが正解かもしれません。いずれにせよ、最短のピンの長さは頭の片隅に入れておくべきだと思いました。



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手術は週央の午前中がお勧め!


Medical Tribune 2014年7月10日号に興味深い記事がありました。
「午後・週末・2月の手術で院内死亡率上昇」です。以下、Medical Tribuneからの転載です。


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ドイツ・Charité-University Medicine BerlinのFelix Kork氏とClaudia Spies氏は、午後・週末・2月に行われた手術では、その後の院内死亡率が高いことを,欧州麻酔科学会で報告した。


Kork氏らは、ベルリンの三次医療大学病院2施設で、2006〜11年に手術を受けた患者21万8,758人について手術が行われた時刻と院内死亡の関連を後ろ向きに解析した。  


午後の手術は、午前中の手術と比べて院内死亡リスクが21%上昇した。週末の手術は、平日の手術と比べリスクが22%高かった。2月の手術は他の月と比べてリスクが16%上昇していた。



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これは興味深い研究だと思いました。確かに自分の実感とマッチしているからです。私は全身状態のあまり思わしくない症例に関しては、できるだけ週央の午前に手術するようにしています。


何となく午後の手術や週末に施行する手術は嫌なので、避けることができるのならできるだけその時間帯は避けようとしているのです。


日本とは環境の異なる外国における21万人もの膨大なデータから解析された結果なので、私が臨床医として日常的に感じているイメージもあながち間違いではなかったようです。


緊急手術や準緊急手術はこの限りではありませんが、ある程度余裕のある予定手術に関してはできるだけ週央の午前中に手術予定としておいた方が無難のようです。




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