整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

THA: 内閉鎖筋までばっちり温存!


今日の午前の手術は、人工股関節全置換術(THA)でした。
手術用照明器が良かったので、後外側アプローチですが内閉鎖筋までばっちり温存できました。




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上の画像は、THAのインプランテーション完了時の術野です。画面中央の縦方向に走る筋肉は内閉鎖筋です。上双子筋や梨状筋ももちろん温存できています。


アプローチは後外側なのですが、内閉鎖筋および上双子筋がインナーボールを完全に覆っていることが分かります。このため関節後方の安定性が格段の向上しています。


股関節屈曲80度・内転20度・内旋60度のいわゆる脱臼肢位をとっても、内閉鎖筋および上双子筋がインナーボールの上層でピンピンに緊張するので全く脱臼傾向がありません。


後方関節包をL字切開する部位を上双子筋下縁よりやや末梢にすると、内閉鎖筋の中枢側まで温存できるため、インナーボールの安定性に大きく寄与します。


注意点はリーマーの出し入れの際に、内閉鎖筋縁を傷つけてしまいがちなことです。リーマーの出し入れの際には、筋鉤等で内閉鎖筋の保護を心掛ける必要がありそうです。


後外側はアプローチは、前外側アプローチと違って非常に容易なので、どのような症例にも対応可能なアプローチです。


そして梨状筋だけでなく上双子筋や内閉鎖筋も温存すると後方安定性が増します。手技は簡単なので、後外側アプローチをメインにしている方は、一度試されてもよいかもしれません。



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                                    人工股関節全置換術



半月切除は30分以内が目安かな?


昨日の午後からは円板状半月に対する鏡視下半月切除術でした。
この方は、4年前にも反対側の円板状半月で、私が手術を施行しています。


円板状半月の場合、半月の切除量自体が多いので、
正常半月の切除術と比べて、やや手術時間が長くなる印象があります。


しかし、鏡視下手術で手術時間が長くなると、皮下への潅流液の漏れが多くなってきます。私の感覚では、手術時間が1時間を超えたあたりから潅流液がどんどん皮下へ漏れ出す印象です。


したがって、可能な限り早く鏡視下手術を終わらせる必要があります。昨日の方は30分程度で手術を終了しましたが、この程度の手術時間であれば皮下への漏出はほとんどありません。


皮下に潅流液が漏れ出すと関節内の圧が低下するので、視野が急激に悪くなります。
そうなると、手術時間が一層長くなるという悪循環に陥ります。


したがって私の中の目安では、ACL再建術を除く鏡視下手術では手術時間30分以内を目標として、最低でも1時間以内に終了するように心掛ければ良いのではと考えています。



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低侵襲手術で照明器は有用でした!


今日の午前の手術は、筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術
(muscle-preserving interlaminar decompression: MILD法)でした。


今回の除圧高位はL4/5だけだったので、皮膚切開は3cm程度です。ただ、私が勤務する病院では顕微鏡や内視鏡が無いので、ルーペを使用して手術を施行しています。


正直、脊椎手術を行うのであれば手術用顕微鏡ぐらいは欲しいところですが、導入に数千万円単位の資金が必要であるため実行できていません。


しかしMILD法程度であれば、ルーペでもほとんど問題なく手術可能です。唯一不便さを感じるのは、術野の端まで光が届かないケースがあることです。


特に上位椎弓のlateral recessを掘削する際に、どうしても術野が暗くなってしまいます。そこで、サージカルスパインという会社のオーソライトというレトラクター用ライトを試してみました。



オーソライト




これは、テープ状になった光ファイバーをレトラクター等に貼付して術野を照らします。関節鏡で使用する光源を利用するので、ほとんどの施設で簡単に導入可能です。


サイズは巾16mmと9mmがあり、価格は16mm が定価 92,000円/5本、9mmが定価 120,000円/5本だそうです。光源に接続するライトケーブルは定価 118,000円です。


今回はL4椎弓のlateral recess掘削の際にも良好な視野を確保できたので、あっという間に手術が終了しました。基本的にはシングルユースですが、4回ぐらいはガス滅菌可能とのことです。


顕微鏡や内視鏡がある施設では不要ですが、ルーペのみの施設では有用だと思います。明日は人工股関節全置換術(THA)があるので、寛骨臼の処理の際に使用してみるつもりです。



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