整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

脛骨高原骨折の手術法も様変わり


昨日の午後は、脛骨高原骨折に対する関節内骨折観血的手術でした。
脛骨高原骨折では各種プレートが販売されていますが、決め手となるプレートがありません。


この理由は、プレートの形状が相変わらず日本人に合っていないためですが、ロッキングプレートを使用できるようになったことは手術成績の向上につながっていると思います。


脛骨高原骨折(特にsplit depression)ではbuttress法によるプレート固定が教科書的に推奨される術式です。しかし、プレートの形状が合っていないことが多いため実際的ではありません。


それでもロッキングプレートを使用できなかった時代には、四苦八苦してbuttress法に準じて手術を施行していました。しかし、ロッキングプレートの登場で様相が一変しました。


必ずしもbuttress法に準じなくても、脛骨高原骨折の整復固定が可能になったのです。具体的には、関節面を整復した後に脛骨近位側のロッキングスクリューを全て刺入します。


その後、膝内反ストレスと牽引を掛けながら骨幹部を固定するのです。橈骨遠位端骨折に対する掌側プレート固定と同じようなイメージで、ロッキングプレートを中和プレートとして使用します。


尚、手術はほぼ透視下で施行しています。関節包を切開して直視する従来の方法は、半月を切離しても充分な視野を得ることができないことが多いので透視下でも充分かなと思っています。



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リタイア後も日医医賠責保険OK!


以前、医師賠償責任保険の保険料を安くする(無料にする)方法
「日本医師会」に入会する方法をご紹介しました。


もし、勤務先の病院が日本医師会への加入を推奨しており、A会員の年会費(=約16万円)を負担してくれるのなら、日本医師会へ加入することで医師賠償責任保険に無料で加入できます。


私も日本医師会のA会員(正確にはA2会員)なのですが、都道府県医師会から「日医医師賠償責任保険の制度改訂に関するお知らせ」が届きました。


内容は、「閉院や医療機関から退職して医業を ” 廃業 ” した後にも賠償責任保険適用を追加する」 というなかなか画期的な改訂のようです。


従来は、廃業(=リタイア)前の医療行為に起因して損害賠償請求がなされた場合には、特例を除いて賠償責任保険が適用されませんでした。


これはかなりコワイ話で、極論すれば医師をリタイアしてもかなりの長期間にわたって医師賠償責任保険に加入し続けなければならないという厳しい現実がありました。


今回の日医賠償責任保険の改定で、日医A会員がB会員(年会費28000円)に異動することにより、これまでは保険の適用が無かったB会員であっても廃業後10年間は保険適用になります。


この改訂のおかげで医療訴訟の心配がかなり緩和されました。ただ、この適用は廃業後(=リタイア後)の医療行為について補償するものではないことは注意が必要です。


リタイア後も週1日程度は医師としての勘を維持するためにアルバイトをしようという場合には、2割の団体割引が利く民間医局などの医師賠償責任保険に加入しておくべきでしょう。




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便を食べて下痢を治す!?


Medical Tribuneで興味深い記事がありました。
凍結した便の経口製剤でCDI性下痢が9割解消」です。




米・Massachusetts General HospitalのIlan Youngster氏らは,再発を繰り返すClostridium difficile感染症(CDI)患者20例に対し,凍結した便のカプセル製剤を経口投与したところ,90%で下痢が解消したとする予備的研究の結果をJAMAに発表した。


C. difficileは大腸感染症の最大の起因菌の1つ。再発を繰り返すCDIは,疾患や死亡の大きな原因となっており,成人・小児ともに世界的に感染者が増加している。標準治療はメトロニダゾールまたはバンコマイシンの経口投与だが,治療失敗の割合は上昇している。


健康な人の糞便微生物叢を移植する治療法(Fecal Microbiota Transplantation;FMT)が有効であることが報告されていたが,そのほとんどが血縁ドナーから得た新鮮便の懸濁液を注入する治療法を検討したもので,実用性や安全性が懸念されていた。


こうした障壁を克服するために,入念なスクリーニングを経た健康ドナーからの凍結便製剤をFMTに用いることが検討された。以前の研究で経鼻胃管を用いた凍結便製剤の投与が大腸内視鏡下での送達と同等に有効であったこ。


このことから,Youngster氏らは便微生物叢をカプセルに封入し,凍結保存した経口投与が可能な製剤を開発した。今回,非血縁ドナーの便微生物叢を用いた経口製剤の有効性が示されたことから,その実用化が近づいた。





整形外科的な感覚からはちょっと信じがたい治療方法ですが、この方法で難治性のClostridium difficile感染症が治癒するのなら、かなり有望な治療法だと思います。


しかし、カプセルに封入されているとはいえ、他人のナマの便を飲み込むのは精神的にちょっと勇気が要りそうです。まぁ、大腸内視鏡下に送達するよりもカプセルの方がマシですが・・・。




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