整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

肩骨折手術後の不安定性の原因は?


先日、肩関節人工骨頭置換術を施行しました。
術後1週時点で単純X線像を施行したところ、骨頭が亜脱臼位にありました・・・。


Y-viewでは脱臼していないで肩関節の前方脱臼には至っていないのですが、単純X線像を見るとどうしても不安に駆られてしまうような所見です。


しかし、よく考えると人工骨頭置換術だけではなく、通常のプレートや髄内釘を使用した骨接合術の症例でも、同様の所見を認めるケースが多いです。


骨接合術では術後脱臼の可能性を考える必要性が無いので、今までさほど気に掛けていませんでした。しかし、肩関節人工骨頭置換術では術後脱臼の可能性も皆無ではありません。


ちょっとビクビクしながら毎週単純X線像で脱臼していないかを確認していたところ、術後3週で亜脱臼の程度が軽快しました。これは通常の骨接合術とほぼ同じ経過だと思います。


肩関節の骨折手術後に肩関節が亜脱臼位になる理由は諸説ありますが、今回の経験から術後血腫ではなく肩関節周囲筋の機能不全が原因ではないかと感じました。


時間の経過と伴に肩関節周囲筋の機能不全が改善することで、肩関節の安定性が増すと思います。肩関節人工骨頭では少しドキドキしますが、慎重に見守るのが吉だと思いました。



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医師数の予測から子の将来を考える


現在の日本の社会保障制度の破綻は、人口動態から考えると30年前から予測可能だったそうです。この理由は、人口動態はかなり正確な予測が可能だからです。


未来予測のほとんどはアテになりませんが、戦争や移民受け入れ等の激変が無いかぎり、人口動態予測はほぼ実現すると考えるべきでした。


しかし、当時の為政者や官僚は、この国家の未来に関する大問題に正面から取組ませんでした。当時であれば社会保障制度の大幅な延命も可能であったはずです。


このように20~30年後の遠い(?)未来への対策は重視されない傾向にあります。しかし、私たち自身の将来がかかっている場合には、真剣に直視するべきだと思います。


ここに2つのグラフがあります。ひとつめのグラフは社会保障給付費の推移です。全体的には右肩上りですが、主な要因は年金の激増であり、医療費は漸増もしくは横這いと考えるべきです。


社会保障給付金推移 - コピー



次に、10万人あたりの医師数の推移です。こちらは、医学部の入学定員と日本の人口動態推計
から算出されているため、かなり正確な予測と言えます。


医師の需給に関する検討会報告書 - コピー


このグラフから、10年後の2025年には2015年現在の16%増、2035年には35%増となります。医学部増設がされなくてもこの状態なので、状況は更に悪化する可能性が高いです。


この2つのグラフから言えることは、単純に考えて医師ひとりあたりの収入が減少することを示唆しています。これは、確実にやってくる未来と考えるべきです。


医師が他の職種に比べて高給なのは、医学部の難易度が高いためでも、医療技術が高度であるためでも、社会的な役割が重要であるためでもなく、単純に医師の供給が少ないからです。


そして、この医師に有利な供給不足が急激に解消されつつあります。おそらく50歳台以上であれば逃げ切れますが、私も含めて40歳台以下はちょっと厳しい状況に追い込まれます。


これは私たち自身の問題だけでなく、子供の教育方針にも大きな影響を与えます。世の中は空前の医学部ブームで、最上位層の受験生同士の熾烈な戦いが繰り広げられています。


確かに2015年現在では、医学部合格は東京大学合格よりも経済的な価値が数倍高いと思いますが、20年後の状況は確実に暗いと言わざるを得ません。


少なくとも病院経営者や多施設展開クリニック院長の子弟以外は、開業医の子弟も含めて医学部に進学させるリスクを検討するべきだと思います。


このような検討の結果、もし自分の子供から将来の進路を相談されたら下記のようなアドバイスを贈ると思います。


     ・ 男の子 → 東京大学、もしくは米国の大学進学を勧める
     ・ 女の子 → 医学部進学を勧める


男の子なら将来の苦境が予測される医師ではなく、世界と戦えるチャンスを掴んで欲しいと思うからです。しかし、女の子なら腐っても(?)医師免許という国家資格は大きな武器になります。


親としては、子供に遺す資産をある程度準備することで、子供がチャレンジするためのセーフティーネットを整えたいと思っています。


少なくとも、現在の「この世の春」を謳歌する医療業界の状況だけを見て、こどもの将来を決めることは極めて不適切で危険な行為だと思います。



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第88回日本整形外科学会学術総会期間中の2015年5月23日に開催した、本ブログ管理人による 「医師のための資産形成セミナー」 の動画、および講演で使用したスライドです。


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                     医師のための資産形成講義


本セミナーは経済的自由獲得を目指す医師向けに開催しました。 資産形成マニュアル は、医師に最適化した資産形成手法だと自負していますが、文書だけでは伝わらないことも多いです。


講義内では、資産形成マニュアルにおいて文面だけでは伝えきれなかった資産形成のコツや、寝ていても定期収入をもたらしてくれる 「資産の自動運転化」 を中心に説明しています。 


南部アフリカでは腱縫合も難しい?


最近、子供の英語教育の一環で某オンライン英会話で英会話レッスンを受けています。
オンライン英会話は、レアジョブ が創造した新しい業界です。


レアジョブの成功以来、オンライン英会話の会社が乱立していますが、基本的にはSkype(スカイプ)を使ったインターネットサービスです。


オンライン英会話では教科書を使用してレッスンを行うことが多いのですが、講師の方が面白そうな人であると、フリートークで話しをすることもあります。


先日の講師はジンバブエ在住のボツワナの方でした。以前からジンバブエのハイパーインフレに興味があったので現地の状況を御伺いしたところ、そんなに困っているわけではないそうです。


ハイパーインフレでもそんなに困らないものなのだなぁ と妙に感心していると、逆に友人が腱を損傷したのだが、やはり手術を受ける必要があるのか? と訊かれました。


もちろん、手術を受けなければ治らない旨を伝えたところ、ボツワナやジンバブエでは医療費が非常に高く、かつ腱縫合できる医師が居ない(?)ということで困っているとのことでした。


本当かなぁ???と思いながらも、日本であれば即腱縫合しているであろう状況でも、経済状態の良くない国では、当たり前のことが当たり前にできないことは辛いなと感じました。


それにしても、本当にボツワナやジンバブエでは腱縫合を施行可能な医師がめったに居ないのでしょうか??? もし本当なら、ちょっと不思議な感じがします。



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特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく
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手の外科の実際                       私の手の外科―手術アトラス








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