先日、20歳台の大柄な男性が肩関節脱臼で搬送されてきました。
若干社会性の無い方で、搬送時から救急隊員やスタッフにひたすら暴言を繰り返していました。
スタッフからの「とにかく早く帰して!」という無言のプレッシャーを晒されて、私はいつになく緊張しました(笑)。ここで治療に手間取ると整形外科の院内での評判に関わってしまいます。
そこで、今回も以前にご紹介した方法で肩関節の整復を試みました。Stimson法を行う上で難しい点は重りを患肢に装着するところですが、 マジックベルト があれば大丈夫です。
これはリハビリテーションでホットパックなどを患部に固定すする際に使用するベルトです。固定性が非常に良いため、10kgのダンベルでも簡単に固定することが可能です。
下の画像のように、このマジックバンドを3本使用することで、ダンベルをしっかりと患肢に固定することができます。通常3~5kgで整復されますが、10kgでも牽引可能となります。
今回は大柄な若年男性だったので6kgでStimson法を施行したところ、5分ほどで整復を完了することができました。何はともあれ、スタッフの期待に沿えて良かったです(笑)。
結局、この方は三角巾・バストバンド固定を拒否して帰って行きました。。。時々このような方に遭遇しますが、今回は搬送から治療終了まで15分程度だったので良かったです。
★★★ 管理人 お勧めの医学書 ★★★
初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です
整形外科研修ノート (研修ノートシリーズ)