今週は年末年始の外傷の手術でてんてこ舞いです。
複数の大腿骨頚部骨折の患者さんに対して人工骨頭置換術を施行しました。
普段なら入院時に、正確な110%の拡大率の単純X線像を撮影してもらいます。しかし今回は年末年始だったため、何名かは入院時の110%の拡大率の単純X線像が漏れていました。
さすがに、外科の当直の先生にそこまで要求するのはコクです。しかし、どんどん業務を進めて行く必要があるので、110%の拡大率の単純X線像を撮影する前にテンプレーティングしました。
年明けの業務開始後に110%の拡大率の単純X線像も撮影したのですが、インプラントを発注済みのため、私の中では110%の拡大率の単純X線像でテンプレーティング済みになっていました。
そして手術に臨んだのですが、どうも計測とラスプのサイズが合いません。う~ん と思っていると、ハタと110%の拡大率の単純X線像でテンプレーティングしていないことに気付きました。
スタッフに110%の拡大率の単純X線像でテンプレーティングしてもらうと、現在のラスプのサイズでした。普通に撮影した画像と110%の拡大率の画像では、かなりサイズが異なるようです。
これは、特に痩せている患者さんで顕著なのかもしれません。いくら忙しいとは言え、今後は気をつけなければならないなと思いました。
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股関節学
日本リウマチ学会が発行しているニュースレター(2014.12月号)に興味深い記事がありました。
滋賀医科大学の川崎先生が執筆された「関節リウマチと食事」です。
関節リウマチ患者さんから「リウマチにいい食べ物は何ですか?」と訊かれる機会があると思います。医師サイドからすると、食べ物にこだわりは無いので適当に答えてしまいがちです。
しかし、患者さんサイドからすると、少しでも病気がよくなる食べ物を具体的に知りたいので、怪しげな健康食品やサプリメントに引っ掛かってしまう方が多いです。
食事と関節リウマチの関係について、何かエビデンスは無いのか?という疑問に答えるべく、川崎先生が下記のようなまとめをされていました。
・ 関節リウマチと食事の関連には「発症因子としての食事」と「治療法としての食事」がある。
・ 発症の防御因子は、魚・オリーブオイル・果物・野菜・アルコール・EPAやDHA
・ 発症の危険因子は、肉・コーヒー・砂糖入り炭酸飲料
・ 治療法としての食事では、エビデンスのある疫学調査はほとんどない
・ EPAやDHA には抗炎症作用があり、発症の防御因子だけでなく臨床症状の改善効果もある
以上をまとめると、関節リウマチの治療はあくまでも薬物治療が主であることを理解していただいた上で、「肉ではなく青魚を摂りましょう」と説明することを推奨されています。
川崎先生は、「肉ではなく青魚を摂ることは、生活習慣病予防やアンチエイジングにもつながり一石二鳥となるかもしれません」 と上手に結ばれていました。なかなか参考になりますね。
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今日の午前はアルバイト先での外来でした。
年始ではありますが、学生にとっては冬休み期間中です。
このため、定期受診の学生さんが何名か再診されました。その中の1名は、側弯症の定期診察でした。側弯症例の80-90%は原因不明の特発性脊柱側弯症です。
潜在しているかもしれない神経学的異常や筋・系統疾患を除外して特発性(=原因不明)と診断した患者さんは、Cobb角によって、下記のようなフォローを行っています。
① Cobb角 15度以下 → 6ヵ月毎の経過観察
② Cobb角 15~25度 → 3ヶ月毎の経過観察
③ Cobb角 25度以上で発育が1年以上見込まれる例は装具療法導入
今日の方は、Cobb角が20度だったので②に該当します。したがって、3ヶ月毎の診察なのですが、やはりきっちり3ヶ月毎ではなく冬休み・春休み・夏休みに絡めて再診予約しています。
ちなみに装具療法は、側弯の矯正効果をあまり期待できず、側弯が増悪することの防止効果が目的となります。したがって側弯が増悪する前に治療開始することがポイントになります。
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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。
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