整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

THA: ドレ―ピングは結構重要

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先日、人工股関節全置換術(THA)を施行しました。昔と比べるとかなり皮膚切開が小さくなってきているので、ドレーピングの重要性を再認識しました。


患者さんのBMIはやや高めで、皮膚から筋膜までの距離が結構大きな方でした。私は側臥位での後外側アプローチなので、ドレープはふんわりと真上から貼付するようにしています。


しかし、助手の先生の手元が少し狂うと、皮膚に変な張力が掛かったままドレープが貼付されてしまいます。大袈裟に言うと、皮膚が「ぐにゃりと曲がった状態」になるのです。


皮膚の表面が「ぐにゃりと曲がった状態」になっていることは、あらかじめ皮膚ペンで描いた予定皮膚切開の線を確認するとよく分かります。


自分が切開を加えたい部分から少し離れた部位に、皮膚ペンで描いた予定皮膚切開の線が移動してしまっているのです。。。


小さな皮膚切開で行う手術やBMIが高めの患者さんの手術では、このドレーピングの不具合が結構大きな影響を与えてしまいます。


このため、私にとって手術で最も緊張する瞬間がドレーピングです(笑)。「始めよければ終わりよし」ではないですが、ドレーピングが決まれば気持ちよく手術が終わることが多いです。






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初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


    




矢状断を用いた腰椎分離症の診断法

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先日、愛知医科大学・准教授の神谷光広先生の腰椎分離症の講演を拝聴しました。腰椎分離症はときどき診察する機会がありますが、数はそれほど多くないと思います。


講演を拝聴して、腰椎分離症の理解が深まったのでまとめてみました。腰椎分離症は、疲労骨折であることが定説になっています。通常、急性期の単純X線像では異常を認めません。


しかし、分離症が完成すると、斜位像で関節突起間部にヨークシャテリアの首輪像と言われる骨連続性の欠損した所見を認めます。



診 断

診断にはMRIのSTIR画像が有用です。矢状断で横突起基部から椎弓根部の高輝度変化を認めれば、腰椎分離症の急性期と診断できます。



治療予測

一方、治療予測はCTで行います。CTでも矢状断で横突起基部から椎弓根部を観察します。骨折線は腹側から始まり、進行するにしたがって背側に至ります。


椎弓腹側皮質の骨吸収像~背側骨皮質の連続性(+)の不全骨折では骨癒合率78%ですが、背側骨皮質の連続性の無い完全分離では骨癒合率は13%だったそうです。



保存治療

骨癒合を目的とした保存治療を行う場合にはMRIでの経過観察と行います。MRIのSTIR像で高輝度変化が低下して、腰椎伸展時通が消失したらコルセット装着下にランニングを開始します。


骨癒合の判定はCTの矢状断で行います。十分な安定性を得たと判断できれば、骨癒合と判断し、コルセットを除去して運動を開始します。






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AIの脅威が現実のものに・・・

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今週号の週刊ダイヤモンドはなかなかお値打ちなので、購入することを強くお勧めします。特集1は「不動産投資の甘い罠」ですが、これについては週末に意見を述べるつもりです。









本日の話題は、特集記事3の「グーグルが狙うAI覇権」です。この特集を拝読して、正直言って背中に冷たいモノが走りました。


特集は、囲碁AIの「アルファ碁」から始まります。5月下旬に行われた、人類最強棋士である中国の柯潔(か・けつ)九段との3番勝負は、アルファ碁の完勝で終わりました。


柯九段に完勝したアルファ碁は、囲碁から卒業することが発表されました。Googleは、囲碁AIの開発から得るものが無くなったのです。


そして、Googleからプレゼントが贈られました。それは、アルファ碁同士が対局した50局の棋譜です。アルファ碁の強さの秘密や囲碁の神秘に近づくことができるかもしれない・・・


こんな期待を持って棋譜を見たプロ棋士たちは愕然としました。AIの打ち回しを全く理解できなかったのです。囲碁の常識を根本から覆す手の応酬は、人類の理解を超越していました。


人類には理解できない判断をAIが下したときにどう対処すればいいのか? アルファ碁の置き土産は、AIと人類がどう向き合っていくのかという重い課題を投げ掛けました。




さて、ここからは医療界です。医療に革命を起こしかねない、医師よりも優れた”目”を持つAIの誕生・・・。Googleはディープラーニングを医療用の画像診断に応用しました。


まず、糖尿病性網膜症の眼底カメラです。Googleはインドと米国の眼科医に128000枚の写真を見てもらい、1枚の写真について3~7名の医師が失明の前兆所見の有無を確認しました。


このデータをディープラーニングしたところ、AIは97.5%の感度で糖尿病性網膜症を検出することができるようになり、眼科医の95.8%を上回りました。


次は、乳がんのリンパ節転移の病理診断です。オランダの大学の画像データを学習したAIは89%の精度で乳がんの転移を検出し、時間制限無しで挑んだ病理医の73%を上回りました。


しかも、病理医は130枚の画像診断に30時間を費やしましたが、AIはそれほど時間がかからなかったようです。この分野では、完全にAIは病理医を上回っているようです。


このまま、診断できる領域を広げていけば、医師の地位が揺らぐこともあり得ます。「まずGoogleの診断を教えて欲しい」と患者が医師に言い放つ未来も現実味を増します。


まだまだ画像診断の領域は広大ですが、AIが医師を上回る領域は着実に広がりそうです。そして、そのようなAIは、地球上にたったひとつあれば十分です。


このことは、診断系の領域から医師が駆逐されることを意味します。どうでしょう、ちょっと怖過ぎる未来予想図ではありませんか?





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