整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

大腿臼蓋インピンジメントの診断

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先日、20歳台後半の男性が、半年前から続く右股関節屈曲時の引っかかり感と違和感を主訴に初診されました。このような症例では、どのような疾患を想定するべきでしょうか?



T2WI - コピー



まず、T2WIの両股関節前額断像です。右大腿骨頚部前方に骨嚢胞形成を疑います。冠状断では、右大腿骨頚部前方の骨嚢胞形成ははっきり分かりませんでした。




STIR  coronal - コピー



次に、STIRの両股関節前額断像です。右大腿骨頚部前方に骨嚢胞を形成していることが、よりはっきりと分かります。ここまでくれば、主訴と併せてFAIであることが分かります。


FAIとはFemoroacetabular impingement の略で、日本語では大腿臼蓋インピンジメントと訳されています。FAIには下記の3つのタイプがあります。

  1.  cam type 
  2.  pincer type 
  3.  combined type(①と②を併せ持つタイプ)



①のcam typeは大腿骨頚部の形態異常で、ペルテス病や大腿骨頭辷り症の後遺症として発症するケースが多いです。


一方、②のpincer type は寛骨臼の前方開角不足が原因です。特に若年男性では寛骨臼の前方開角が小さい傾向にあるので、pincer type のFAIには注意が必要です。




T2WI axial - コピー



今回の症例では、上図のように寛骨臼前方開角がほぼゼロでした。このため、大腿骨頚部前方病変を認めるものの(=cam type)、pincer typeの要素もあり、③のcombined typeとなります。


この患者さんはアスリートではなく、症状は軽度の違和感のみなので、しばらく経過観察としました。尚、治療に関しては、こちらで紹介されているように鏡視下手術となります。






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医師の働き方改革

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日経メディカルで興味深い記事がありました。
当直が大人気、相澤病院の働き方改革とは です。


2017年6月に日本病院会会長に就任された相澤病院(長野県松本市)の相澤孝夫先生のお話しです。最近、政府の働き方改革の影響で、医療業界でも「働き方改革」議論が盛んです。



今回は医師の働き方改革の持論を展開されているので興味深く拝読しました。まず、相澤病院は松本医療圏の中核病院です。このため、地域医療の最後の砦的な特徴を持ちます。


2014年に立ち上げた救命救急センターは、24時間365日どんな症例であっても必ず受け入れる方針です。この高い目標を達成するために、下記の体制のようです。


救急医17名体制で、夜間はおよそ3人の救急医がいる状況です。週2回、連続16時間勤務して、あとは日中8時間の勤務が1日だそうです。これで合計週40時間の勤務時間となります。


残り4日間は「休み」となるそうです。更に「外来のスリム化」に取り組んでおり、外来診療は減らして紹介患者の専門外来を増やすという方針だそうです。


病院の仕事は入院患者を診ることであり、それを徹底させるという・・・。まさに現在の医療行政の理想像を体現している病院のように見受けられます。


実際に相澤病院で働いたことがないので、何とも言えませんが記事の内容がずべて事実であれば、どこで稼いでいるんだろう? という疑問が湧きます。


すごい数の救急患者さんを受け入れているのでしょうが、救急医17名体制はさすがにオーバースペックのような気がします。これだけの数の人件費を捻出するのは並大抵ではなさそうです。


もちろん、本当に病院事業だけで黒字を確保しているのであれば素晴らしいことですが、上澄みの医療機関だけに許された状況のような気がしてなりません。


いずれにせよ、数字的な裏付けが全くない感覚的な感想で恐縮なのですが、相澤病院の実際のところがどうなっているのか非常に興味があります。




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既往歴を効率的に聴取する方法

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問診で既往歴を聴取することは必須です。
しかし、既往歴を漏れなく把握することは、必ずしも容易ではありません。


結構な確率で聴取漏れが発生します。既往歴を効率的に漏れなく聴取する方法は無いのか?こんなことを考えながら外来をしているときに、ふとひとつの気付きを得ました。


その気付きとは、患者さんに既往歴を訊いてもほとんどまともな答えは期待できないということです(笑)。笑ってるけど笑えない事実ですね。。。


さて、完璧な既往歴を聴取することは難しいものの、ある程度の精度と効率性で患者さんの既往歴を一網打尽する方法を発見しました。


それは、お薬手帳を見せてもらうことです。服用している内服薬をみると、現在治療中の内科的疾患のほとんど全てを把握できます。これは服用中の薬を聴取することでも代用できます。


現時点では、これ以上の精度と効率性で既往歴を把握する手段を知りません。もちろん、院内の他科受診の場合には、カルテ内容をコピペするだけで済みます。


しかし、全ての医療機関をカバーできる手法としては、お薬手帳の確認以上の方法は思いつきません。何か良いアイデアがあれば是非教えて欲しいと思っています。





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