整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

腰仙部移行椎の頻度

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腰仙部移行椎は腰仙部移行部の形態異常です。患者さんには「背骨の数が多い(少ない)ですが問題ないです!」と説明しますが、実際の頻度を調べてみました。


まず、L5が仙椎化したものと S1が腰椎化したものが存在します。1929年の神中先生の報告によれば、両者を併せた腰仙部移行椎は健常人の 16.9%に認めたようです。


移行椎の頻度に性差は認めるという報告がある一方で、性差は認めないという報告の方が多い印象です。私の実感でも性差は無さそうに感じます。


次に仙椎化と腰椎化の頻度ですが、1995年の大坪先生らの報告では L5の仙椎化:S1の腰椎化=2:3だったようです。たしかに、S1が腰椎化した第6腰椎の方が多い印象を受けます。


一方、2018年の横山先生らの報告によれば、第6腰椎は健常人の 17.4%に存在するようです。仙椎化に言及されていませんが、第6腰椎の頻度が明示されていることは貴重です。


このようにざっくり腰仙部移行椎の頻度をみた場合、おおむね健常人の15%前後に存在するようです。なるほど、ここまで多いと奇形ではなく形態異常となるのですね。





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エンジンの無いマインドリセットは危険!

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最近、日本もずいぶん国際化されました。エリアにもよりますが、街を歩いていても外国人がそれほど珍しくなくなりました。


また、ワーキング・ホリデーなどで、異なった文化の中で長期間滞在することも可能です。このように双方向性に異文化に接する機会が増えてきました。


生まれてからずっと日本という単一民族で同じ文化の中で生活していると、どうしても視野が狭くなりがちです。


一方、国内・国外を問わず周囲に外国人が多い環境で暮らしている人は、従来の日本人と比べて考え方がずいぶん異なる人が多い印象です。


一般的には、さまざまな文化的バックグラウンドを持った人たちと接することで引き起こされたマインドリセットは好ましいことだと見なされています。


しかし、このマインドリセットは良いことばかりではないと感じています。建設的な方向にリセットされたマインドなら、これ以上素晴らしいことはありません。


しかしそのマインドリセットが日本社会へのネガティブな感情に変化する時には注意が必要です。そのマインドリセットのために、社会に適合できなくなる危険性があるからです。


具体的には、外国の文化や感じ方を上位とみなして日本の文化をネガティブにとらえてしまうと、少なくても日本社会で生きていく上では大きなハンデを背負うことになります。


もちろん、日本社会に対するネガティブな気持ちをバネにして、社会を変革するような良好なアクションを起こすと話を別なのですが、なかなかうまくいかないのが現実です。


よくありがちなのは、日本の文化や社会を馬鹿にしつつも、それに対して何か自分が積極的にアクションを起こすことなく惰性で過ごしてしまうことです。


こうなってしまうと下手にマインドリセットしてしまっているため、社会復帰が困難な状況になってしまいます。若いうちはいいですが、30歳台に突入すると黄信号が灯ります。


このように気持ちだけが変わって、その変わった気持ちを燃料にするエンジンが無い状態に陥ってしまうと結構大変です。


マインドリセットするのは良いのですが、それと同時に現実的に生きていく手段も模索する必要があると感じています。マインドだけ変わっても、人は変われないのです。


しかし、生活していけるだけのスキルを身に付けることは容易ではありません。この辺りのジレンマを解決する回答を私は持ち合わせていません。


バンコクなどで「沈没」している人を見るにつけて、無目的に海外で長期間放浪し続けるのは少々危険なことではないかと感じています。






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伝家の宝刀! エキスパートオピニオン

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昨日の話題は、2019 JOAで拝聴した鳥取大学の荻野浩先生の『骨粗鬆症性椎体骨折の治療  診療マニュアル作成の試み』でした。


荻野先生は骨粗鬆症性椎体骨折では、体位を変えた単純X線の側面像が重要であることを強調されており、実臨床でも非常に有用であると感じています。


ところが、講演の本題である『骨粗鬆症性椎体骨折の治療 診療マニュアル』に関しては、少しいただけないところがあるように感じました。


その理由は、今回は診療マニュアルであって診療ガイドラインではないことが端的に示しています。まず、本診療マニュアルは基本的にはエビデンスベース(のはず)です。


たくさんの論文をベースに、CQに対して下記のような回答がなされていました。

  • 骨粗鬆症性椎体骨折の治療では外固定の種類と治療成績に有意差は無い
  • 骨粗鬆症性椎体骨折の治療では外固定の有無と治療成績に有意差は無い
  • 骨粗鬆症性椎体骨折の治療では受傷後の安静期間と治療成績に有意差は無い


いずれもドキッとするようなことばかりが並んでいます。それなら、今まで私たちがやってきた治療は一体何だったのでしょう???


少しブルーな気分で講演を拝聴していると、最後のまとめで「骨粗鬆症性椎体骨折の治療では12週程度の外固定が望ましい」と結ばれていました...。


う~ん、全く意味が分かりません。講演で聞き逃した点があったのか? それとも私の理解力が極端に低下している(=バカ)なのか???



ところが、質疑応答でフロアから、エビデンスと推奨部分が乖離しているとの指摘がありました。よかった~、疑問に思っていたのは私だけではなかった(笑)。


荻野先生曰く、エビデンスといっても十分な数が無いので鵜呑みにすることはできない。おまけに、エビデンス(?)ベースでは従来の整形外科診療の全否定につながりかねません。


これらの整合性を合わせるために「エキスパート・オピニオン」として無理矢理(?)従来の治療体系との整合性を設けたようです。


エキスパート・オピニオン...なかなか便利な言葉です。エビデンス否定になりますが、十分量のエビデンスの無い状況では現場を混乱させないための必要悪なのかもしれません。





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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








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