最近、高ナトリウム血症をきたした症例を連続して経験しました。原因はよくわかりませんが、おそらく脱水を契機に併発したものと考えています。
そのうちの 1症例は、169mEq/lもありびっくりしました...。おそらく意識障害があるのでしょうが、高度のせん妄に対する心療内科的治療のために判断がつきません。
担当のベテランの美人看護師さんが「ここ数日活気が無い」「血圧がやや低め」と伝えてくれたおかげ精査することになりました。さすがです...。
ご存知のように、高ナトリウム血症を放置すると昏睡から死に至ります。脱水がベースの高ナトリウム血症は補液で治療しますが、補液の種類には注意が必要です。
脱水症状が前面に出ている場合には 1号輸液から開始しますが、そうでない場合には 5%ブドウ糖液を投与します。患者さんの状態をみながらですが、500ml/日ペースが一般的です。
血液中のナトリウム濃度を急速に下げると、急激な浮腫と脱髄によって重度の脳損傷を引き起こす危険性があるため、ナトリウム濃度はゆっくりと補正していきます。
幸い、大きな問題なく高ナトリウム血症を補正できましたが、心療内科で本格的に鎮静されている患者さんは、注意が必要であることを痛感しました。
★★★ 管理人 お勧めの医学書 ★★★
初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です
ケアネットで興味深い論文が紹介されていました。
五十肩、短期的に最も有効な治療法は? です。
五十肩(肩関節周囲炎)に対するさまざまな治療の有効性について、英国・グラスゴー大学のDimitris Challoumas氏らが65研究のメタ解析を行った結果、関節内ステロイド注射が他の治療(外科的治療を除く)と比べて短期での有用性が高く、その優位性は6ヵ月継続することがわかった。この結果から著者らは、最初に関節内ステロイド注射が行われるべきとしている。
整形外科医的には当たり前な結果です。しかし、今回もシステマティックレビューで、nの暴力が遺憾なく発揮されています。このフレーズ大好きです(笑)。
さて本題に戻りますが、著者は最初に関節内ステロイド注射を推奨しています。私も初回はステロイド注射ですが、たしかに初回にステロイドを入れると除痛に弾みがつきます。
今回の研究では、整形外科医であれば誰でも感じている常識の正当性が証明されたわけですが、それよりも「nの暴力」で JAMAにも届くという事実が大変勉強になりました...。
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先日、とある不動産投資仲間から相談を受けました。
物件売却益の処理法と退職金を株式投資に投下する是非です。
この方は、大都市郊外の物件に投資している方ですが、昨今の不動産価格高騰の恩恵を最も受けた層と思われます。
途中から 製薬会社の MRさんに転職されたのですが、給与所得とは桁が違う利益を不動産から比較的継続的に得ています。アグレッシブで不動産投資の才能もある凄い人です。
そんな人でも不動産売却益の節税対策に四苦八苦しているようです。たしかに節税と不動産投資は直接関係ありません。
私は、中小企業退職金共済や給与所得を700万円/年とすること以上の法人節税対策をしない方針です。税支払いで苦しんでいますが、税引き後の綺麗な資金を重視しているのです。
さて、そうは言っても相談されたので何らかの回答をする必要があります。じつはこの手の相談をよく受けるので、結構マニアックな知識があったります。
旬の話題として、コロナ禍の影響で「定期同額給与の増額が特別な事由に該当する可能性がある」ことについて税理士に相談するようにアドバイスしました。
何のこと言っているのか分からない人がほとんどと思われますが、理解できなくても全く問題ありません。多額の利益を消し込みたい人のみが関心を寄せる領域だからです。
次に、退職金を株式投資に投下する是非についてですが、これまでに株式投資でそれなりに結果を出している場合のみ可と回答しました。
もしかしたら、具体的な株式銘柄を教えてほしいという期待感があったのかもしれませんが、有望銘柄を教えたからと言って結果を出せるほど甘い業界ではありません。
よく雑誌で「有望銘柄100選」といった特集が組まれますが、こういうのは最悪なクズ情報です。推奨銘柄に投資したら、機関投資家のエサになることは私が保証します。
そして、一般的に最も避けるべきことは、退職金で株式投資デビューすることです。これは忌避するべき悪手なので、絶対に実行するべきではありません。
この方の場合は、不動産投資で非凡な才能があるわけですから、わざわざ未知の領域に多額の現金をつぎ込むメリットは皆無です。
不動産投資と金融資産投資は全く別物です。不動産投資で非凡な才能を発揮している人でも、金融資産投資で結果を出せるわけではありません。
むしろ、両方の領域で一流の結果を残せる人は、ごく一握りしか居ないという現実を知るべきだと考えています。自分の得意分野があるなら、そこに注力することが吉です。
たしかに不況下の株高は非常に魅力的です。ザクザクと株式長者が誕生している現状をみると参戦したくなる気持ちは理解できますが、得意分野から離れるべきではないと思います。
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