整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

THA: 軟骨下骨は破るべからず

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先日、人工股関節全置換術(THA)における筋群による圧迫とカップの固定性について考察しました。本日はその続編です。


前述したように、股関節周囲筋群が緊張するおかげで、カップ-寛骨臼間には常に圧迫力が加わり固定性が強固になるのでは? と考察しました。


おそらく、スクリューはカップ-寛骨臼間の剪断力予防の意味合いが強いのでしょう。しかし、これが当てはまらない状態になることが時々あります。


その一例として、骨粗鬆症の症例において寛骨臼の軟骨下骨をリーミングでやぶってしまった結果、脆弱な海綿骨が全周性に露出したときに発生しやすくなります。


このような症例でカップの中心性移動(central migration)が発生すると、カップ-寛骨臼間の圧迫力が弱まり、固定性が更に減弱することが予想されます。


こうなるとカップが寛骨臼内で動きやすくなるため、ますます中心性移動が進んでしまうという悪循環をきたす可能性があります。


このように考えるとTHAの寛骨臼リーミングでは、軟骨下骨をある程度残した状態でリーミングを終了することが推奨されるのではないでしょうか。


今までは経験的に軟骨下骨を完全に破らないように心掛けていましたが、これからは中心性移動を防止するためにも注意していこうと思います。





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精神疾患は骨癒合促進因子?!

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先日、上腕骨近位端骨折(4 part骨折)の患者さんの治療を行いました。この患者さんは統合失調症の既往があり、現在も寛解状態とは言えません。


私の勤務する病院は心療内科医師が居ないため、統合失調症の患者さんの入院治療は難しいです。しかし、近隣にも心療内科医師の居る医療機関はありません。


まさか、精神科医師を求めて大学病院に送るわけにも行かず・・・。考えた末に、外来で保存治療を行うことにしました。通常なら手術を施行してもおかしくない症例です。


ちょっと無謀ではないのか? と思われるかもしれませんが、実は私には勝算がありました。それは、精神疾患の患者さんは、骨癒合しやすい傾向にあると考えているからです。


精神疾患の患者さんは骨癒合しやすい上に、関節拘縮もきたしにくい印象です。おそらく痛みに強くてどんどん患肢を動かすため、骨癒合が促進されて関節拘縮もきたしにくいのでしょう。


以前、尺骨骨髄炎で尺骨の中央1/2を完全に切除した患者さんが、期せずしてどんどん仮骨形成して、術後3ヵ月で尺骨が再生したことを目の当たりにして確信に変わりました。。。


今回の患者さんは受傷後8週で、4 part骨折が完全に骨癒合しました。手術しなくて良かった。精神疾患の患者さん=骨癒合しやすい、は迷信ではないような気がします。






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またまた経験! 内臓逆位

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先日、骨折患者さんの術前検査で興味深い経験をしました。この方は、いわゆる「内臓逆位」で、単純X線像では心臓が右側にありました。



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上記は、日本心臓財団のHPから転載してきた画像です。実際に私がみた胸部X線像も同じような感じでした。びっくりするぐらい、左右逆の違和感がありました。


術前の心臓エコーでは肝臓が左側にあったようなので、右心臓ではないようです。実は私自身、過去一度だけ内臓逆位の患者さんをみたことがあります。


ブログの日付を確認すると2012.10.19なので、ほぼ5年振りぐらいのことです。一応、過去の自分のブログをみて、肺疾患が無いことだけは患者さんに確認しておきました。


内臓逆位は繊毛の異常が原因となっている可能性が高い現象だそうです。身体的に異常はないようですが、繊毛運動に異常がある場合が多く、気管支炎等に罹患しやすいそうです。


確率的にはかなり低いらしいのですが、私でさえも2例経験していることを考えると、巷で言われているほど珍しいものではない気がします。






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