整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術(MILD法)はルーペでも施行可能です

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今日の午前は腰部脊柱管狭窄症に対する腰椎椎弓形成術でした。私達が行っているのは、筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術(muscle-preserving interlaminar decompression: MILD法)です。


MILD法は、東京歯科大学市川総合病院 整形外科教授の白石先生が考案した選択的頸椎椎弓形成術(SKIP laminoplasty)をヒントにして、京都府立医科大学 整形外科の八田先生が考案した術式です。


低侵襲脊椎手術を行うにあたり顕微鏡もしくは内視鏡を使用するケースが一般的ですが、私の勤務する病院には両方ともありません。もともと脊椎手術の実績が無かった病院なので仕方ないのですが、裸眼で行うのは少々厳しいです。


そこで、最も安価に導入できるサージカルルーペで手術を行っています。このルーペの装着方法で一つポイントがあります。低侵襲脊椎手術では皮切が4-5cmしかないので、上から覗き込むような状態で手術を行います。



                  ナビス 双眼ルーペ BLS-3 8-1548-02



ルーペの装着位置がど真ん中だと頭を術野の真上に持って行かないと術野が見えません。そうすると助手の吸引器や注射器が邪魔になって手術の進行に支障が生じるのです。したがって、ルーペを装着する角度は下方30-40度ぐらいにして、下目使いに手術ができるようにするのが意外と重要なのです。


サージカルルーペで低侵襲脊椎手術を行う人はあまり居ないと思うので、ルーペの装着方法に一家言もっている人は稀でしょう(笑)。しかし、顕微鏡も内視鏡も無い小さな市中病院で、低侵襲脊椎手術を行うには、ルーペ使用も仕方ないと思うのです。


狭窄性屈筋腱鞘炎(ばね指)に対する経皮的腱鞘切開術

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今日の午前は、外来でした。
2ヶ月前発症の環指狭窄性屈筋腱鞘炎(ばね指)の方が初診で来ました。


普段ならまず腱鞘内注射で様子をみるところですが、かなりきついスナッピングだったので経皮的腱鞘切開術を施行しました。腱鞘炎による痛みが主訴の方には腱鞘内注射が有効ですが、スナッピング(引っかかり)が主訴の場合にはあまり効果が無いと思っています。


経皮的腱鞘切開術をマスターすると結構重宝します。腱鞘切開術をわざわざ手術室で施行していると、手術申し込みや指示出し等で時間を取られますが、診察室で手軽にできるので時間の節約になります。


コツおよび方法は、下記の如くです。
① 母指ばね指には手を出さない(直視下で従来通りに行う)
② 慣れないうちは素手(指先をイソジン消毒)で行う。グローブ越しでは指先の感覚が鈍ります。
② 18G針を皮下に刺入して、プローベで探る感覚で腱鞘表面に針先を進める 
③ 抵抗感のある組織(=腱鞘表面)に針先が到達した時点で、長軸方向に針先で表層からすこしずつ切離します。
④ 通常、1回では切離できないので4-5回往復することが多いです。
⑤ 切離の際に、耳で聞こえるほどの”ジャリジャリ”した切離音が聞こえます。


ピットフォールは、下記のごとくです。
① 術後にスナッピングは解除されても、”シャリシャリ感”が残存することがある 
② あくまで手術なので、当日の窓口支払いが高額になることを患者さんに説明しておく 
③ 間違っても、指神経や屈筋腱を切離しないでください!


初めての方は、先輩医師の手技を見て予習しておくべきでしょう。尚、応用編として変形性股関節症に対するTHA術後に内転拘縮が解除されない場合(=麻酔下でも外転10度程度以下)、経皮的に内転筋切離術を施行できるようになります。





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関節リウマチは動脈硬化が進行する疾患です

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東京女子医大の山中教授が中心になっているIORRAからのデータです。やはり、RAでは悪性新生物、呼吸器障害、心血管病変が死因の多くを占めます。


RA患者さんの死因



動脈硬化における血管壁障害 ⇒ 不安定プラークの破綻 ⇒ 血栓形成
すべての段階において炎症が関与しています。 炎症にかかわるTNF-α IL-1α,β MCP-1 IL-6などのサイトカイン・ケモカインは、関節リウマチの発症・継続に関わっているものと同様です。


欧米では、関節リウマチ患者の死因の30-50%を心血管病変が占めます(本邦ではやや少ない)。また、無症候性心筋梗塞や突然死のリスクは2倍となります。更に、
すべての消炎鎮痛剤(NSAIDs)は、心血管イベントの発症リスクになりうる可能性があるとされています。


つまり、関節リウマチは動脈硬化が進行する疾患なのです。



※ 京都第一赤十字病院 リウマチ・膠原病センターの尾本先生からいただいた関節リウマチの資料からの抜粋です。





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