整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

若年者の特発性大腿骨頭壊死症(ION)に対するTHA

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今日の午前の手術は、人工股関節全置換術(THA)でした。
若年者の特発性大腿骨頭壊死症(ION)の症例でした。
以前にも記事を書きましたが、IONのTHAは通常のOAと少し異なったコツがあります。


ひとつめは、骨質が良好なため1mm のアンダーサイズリーミングでは、カップが打ち込めないことがあります。まず通常どおりに1mm のアンダーサイズリーミングでインプランテーションしてみて固定性が悪ければ、同サイズでリーミングします。特に寛骨臼縁が固すぎてカップを打ち込めない場合が多いので同サイズリーミングの際には寛骨臼の入り口部を主にリーミングする感覚です。


ふたつめは、IONのTHAではカップ上方と寛骨臼の間に間隙ができることがあります。
正常な寛骨臼は、前後の曲率半径よりも正面像での曲率半径の方が大きいためにおこります。
この場合には間隙に骨移植すればよいでしょう。

膝蓋骨低位症例に対するTKA

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今日の午前の手術は、人工膝関節全置換術(TKA)でした。
1ヶ月前にもありましたが、膝蓋骨低位の症例であったため展開が難しかったです。


もちろん膝蓋骨低位は、術前から予見できます。
したがって術前計画で周到に対策を練ることが可能です。
私なら下記のごとくの対策を講じます。


・アプローチは、medial parapatellar approachとする。
・大腿四頭筋腱の切離を中枢まで延長する
・大腿骨外顆の骨棘切除
・膝蓋骨関節面のラフカット
・大腿骨を切り上げすぎるとjoint lineが上るので、スペースがタイトな場合は脛骨の切り下げを優先する

リウマチ性多発筋痛症(PMR) その1

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高齢者の不定愁訴の鑑別診断のひとつに、リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica; PMR)があります。近位筋主体のこわばり感や痛みを訴える場合は、PMRを考える必要があります。


診断基準
1.  両側の肩甲骨の痛み、またはこわばり感
2. 発症後2週間以内で症状が完成
3. 発症時の赤沈値が40mm/hr以上
4. 朝のこわばりが1時間以上
5. 年齢が65歳以上
6. 抑うつ状態あるいはさらに体重減少
7. 両側上腕筋の圧痛


上記のうち3項目以上を満たすもの、もしくは1項目以上を満たし臨床的にあるいは病理的に側頭動脈に異常を伴うものをprobable PMRとします。ステロイドの有効性の確認は診断の確定に役立ちます。


抗CCP抗体や抗ガラクトース欠損IgG抗体(CARF)が陰性なので、関節リウマチの除外診断は比較的容易です。ただし、高齢者に多いといわれるRF陰性のseronegative RAとの鑑別は経過観察が必要となります。


あと個人的には、多発性筋炎/皮膚炎(PM/DM)との臨床症状からの鑑別は結構難しいと思います。疑ったら採血でCKの異常値が無いかの確認が必要です(PMRではCKは正常範囲内)。異常値であればCKアイソザイム(MM型かどうか)や抗Jo-1抗体、抗SRP抗体も追加オーダーすればよいでしょう。


リウマチ性多発筋痛症(PMR) その2 へつづく

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