整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

橈骨遠位端骨折後に併発した長母指伸筋腱皮下断裂

このエントリーをはてなブックマークに追加

昨日の午後は、橈骨遠位端骨折後に併発した長母指伸筋腱(EPL)の皮下断裂に対する手術でした。この方は4日前に転倒して橈骨遠位端骨折を受傷し、2日前から母指の伸展力不足に気付きました。


橈骨遠位端骨折後の長母指伸筋腱皮下断裂は、300例に1例程度の頻度で発症するといわれています。断裂時期は40%が受傷後4週間以内、75%が受傷後8週間以内です。


発生機序は、リスター結節と伸筋支帯遠位部の間のインピンジメントによる機械的要因説、血行不全説、複合要因説に分けられます。


この方は、術前にエコーで確認するとリスター結節部で断裂していました。術中所見も同部位で断裂しており、腱断端は両側とも著明に変性しており、約2cm程度の長さにわたって不整でした。


治療は、固有示指伸筋腱を用いた腱移行術が一般的です。EPLは断裂部を中心に比較的広範囲に変性しているため、端々縫合は物理的に難しい場合が多いのです。


腱縫合の緊張度は、母指を軽度外転してグリップし、手関節軽度背屈位の状態で縫合します。橈骨遠位端骨折後のリハビリテーション中に長母指伸筋腱皮下断裂を併発することが多いので注意が必要です。



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

       
       総論   (診察・診断、治療全般、骨折・外傷、周術期管理)
 

       各論   (手の外科、肩関節、脊椎、股関節、膝関節、足の外科、腫瘍)

       その他 (関節リウマチ、痛風・高尿酸血症、骨粗鬆症、専門医試験)









妊婦にインフルエンザワクチンを接種しても胎児死亡リスク増加せず

このエントリーをはてなブックマークに追加

Medical Tribune Vol.46, No.13で、妊婦にインフルエンザワクチンを接種しても胎児死亡リスク増加せず という記事がありました。

----------------------------------------------------------------------

インフルエンザ(H1N1)2009に対するインフルエンザ(H1N1)2009ワクチンを接種した妊婦では胎児死亡リスクの上昇はみられなかった
New England Journal of Medicine(2013; 368: 333-340)


・ 対象はノルウェーにおけるインフルエンザ(H1N1)2009流行期間(2009年10月1日~12月31日)およびその前後に登録された11万7000件以上の出産データ

・ ワクチン接種を受けた妊婦では、インフルエンザ罹患リスクが大幅に減少した(HR=0.30)

・ ワクチン接種を受けた妊婦では、胎児死亡リスクの上昇は見られなかった(HR=0.88)

・ インフルエンザ(H1N1)2009流行期間中に妊娠していた妊婦では、流行期間中ではない期間の妊婦と比べ胎児死亡リスクが上昇していた(HR=1.26)

・ 胎児死亡リスクは妊婦がインフルエンザと診断された場合には更に高まった(HR=1.91)

・ ワクチン接種で胎児死亡リスクが増加するというエビデンスは存在しないことが明らかになった

---------------------------------------------------------------------


インフルエンザ流行時に妊娠している方にとっては、インフルエンザに罹患するかどうかは切実な問題ですね。私も妻には敢えてインフルエンザワクチンを接種させましたが、大規模研究でワクチンの有効性を証明されたのは大きな意義があると思います。


更に、ノルウェー公衆衛生研究所のCamilla Stoltenberg所長は、ワクチンは母体を守るためだけではなく、小さすぎてワクチン接種の対象とならない出生直後の児に対し、数ヶ月間ウイルス感染から守ることにもつながるため、妊婦へのインフルエンザワクチン接種を推奨する意向とのことです。




 ★★ 『 整形外科の歩き方 』でお宝アルバイト獲得のための基本講座を公開中です! ★★


      



オムツ骨折による開放創

このエントリーをはてなブックマークに追加

今日の午前は、出張先で外来をしていました。
80歳代の寝たきりの方が『膝の骨が皮膚を破って出てきた』とのことで受診されました。


この方は施設に入所中なのですが、1ヵ月前に
オムツ骨折?を受傷してかかりつけ医で大腿骨顆上骨折の診断を受けました。ここまではよかったのですが、その後外固定無しで経過観察されたらしく、極端なmalalingnmentを併発していました。


このため骨折部断端が皮下に突出して、とうとう2日前に開放創になったらしいのです。幸い、仮骨形成をみとめるので骨接合術は不要そうですが、このままでは骨髄炎が必発なので骨切除および掻破洗浄術予定となりました。


たしかにオムツ骨折を併発する方は、関節拘縮が著明なためシーネ固定が難しいケースも多いのです。しかし、このような症例を経験すると、可能な限り外固定した方が良いのだかなと感じました。





  ★★ 良本さえ知っていれば、配送料無料であらゆる医学書を購入できます ★★
 

                      




アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル
医師のための 金融資産形成術
医師のための金融資産形成術

タダで自宅を手に入よう!


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール
タグクラウド
QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。