整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

指神経の不全損傷

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昨日の午後は、中指PIP関節付近での陳旧性掌側指神経損傷でした。
約半年前に誤ってカッターで切って、近医で縫合処置を受けたそうです。


当初から指先の知覚過敏があったようですが、いつまで経っても症状に変化がないため手術に至りました。皮膚縫合部でのtinel signが強陽性でした。


手術ですが、皮膚縫合部を少し延長して中枢側の正常な指神経をまず展開しました。正常な神経から末梢に剥離を進めていくと、分厚い瘢痕組織に覆われた部分に差し掛かりました。


瘢痕組織を切除すると、神経の連続性は辛うじて保たれているものの、掌側指神経の半分程度が切断されている所見を確認しました。


ここからは顕微鏡下に神経周囲の瘢痕組織を慎重に切除して指神経の断端を展開しました。指神経断端を新鮮化してから9-0 プロリン2本で端々縫合しました。


脊椎の再手術や腫瘍でも同様ですが今回のような初回手術ではない場合には、正常な部分からターゲットにしている部位に向かって展開を進めることが推奨されます。




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TKA: PS・CR・CSタイプ間の違い

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今日の午前は、人工膝関節全置換術(TKA)でした。使用機種は、ライト・メディカル(WRIGHT MEDICAL)が今年1月から販売開始したEVOLUTIONでした。


EVOLUTIONの特徴は、過去に記事にしています。今回は比較的若年の方だったので、CRタイプを第一選択としました。バックアップでCSタイプも準備しています。


最近では、CSタイプも結構メジャーになりつつあります。CSはCruciate Substitutingの略で、後十字靱帯を切除し、インプラント(主にインサート形状)によって安定性を実現しています。


一般的にTKAのタイプ別では、PS>CR>CSの順で大きな可動域を得ることができます。一方、PSではインプラントのポスト・カム機構で安定性を実現しているので、インサートのポストやインプラント骨界面にストレスが掛かりやすい欠点があります。


CSに関しては、まだ十分な量の長期成績が出ていないのですが、インサートの厚みがあるので可動域が悪くなりがちなのが欠点です。


以上を総括すると、そこそこの年齢で術前可動域があまり良くない場合にはPSを、若年者でPCL機能が温存されており関節可動域が良い場合にはCRを、CSはCRのバックアップとして準備するといったフローチャートが、現時点では妥当なのかなと思っています。




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患者さんは紫斑のある部位を骨折していると思いがちです

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今日の午前は、出張先で外来をしていました。
30歳ぐらいの女性の第5中足骨基部骨折を4週間前から治療しています。


今日の単純X線像でも転位等を認めず経過良好でした。骨折部を打診して叩打痛の有無を確認したところ、「もしかしてココが骨折しているところですか??」と尋ねてきました。


「今更、何を言っているんですか、ココに決まっていますよ」と返答したところ、骨折部の出血が皮下を流れて足趾基部に沈着した紫斑部を指差して、「ココが折れていると思って、今まで大事にしていました」とおっしゃられるではありませんか!


骨折部位と全く関係無いところを骨折していると思い込んで大事にしていたとのことで、患者さんも爆笑していましたが、今更ながらに患者さんとの意識のギャップを思い知りました。


私達の感覚では骨折等の出血は、皮下を通って体の一番低い部位まで流れていくことは常識ですが、一般の方にとっては初めての経験なので分からなくて当然ですね。





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