整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

進行期変形性股関節症に対するTHA

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今日の午前は人工股関節全置換術(THA)でした。
進行期から末期に入った程度のOAだったので、単純X線像的には問題無さそうな症例でした。


しかし、変形が少ない症例では意外と苦戦することがあります。今日の方は骨質が良好だったので寛骨臼が固かったです。ワンサイズアンダーまでリーミングしてからカップのインプランテーションを行いましたが、良好な初期固定を得ることができませんでした。


仕方なく、同サイズまでリーミングしてカップのインプランテーションを行いました。このあたりは特発性大腿骨頭壊死症(ION)の方と同じような感覚です。術後の単純X線像でもION症例と同様に、寛骨臼荷重部外側とカップの間に少しだけ間隙がありました。


このように正常に近い形態の寛骨臼では、変形性股関節症といえどもIONの方と同様に、寛骨臼の中枢側を少し多めにリーミングするべきだなと思いました。





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                                    人工股関節全置換術



周術期のセフェム系抗菌薬の投与方法

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先日、人工関節全置換術後の術後抗生剤投与が査定されてしまいました。私は、CEZ 1g×3回×2日間をルーチン的に投与していますが、1日3回は多いと指摘されました。


術後2日間という投与日数が多過ぎるという指摘であれば、反論しにくいので飲まざる得ないです。しかし投与回数への指摘だったので再審査請求することにしました。


再審査請求の文面は下記の如くとしました。


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セフェム系などのβラクタム系抗菌薬は、最小発育阻止濃度(MIC)を超える薬物濃度時間依存性の抗菌薬です(Time above MICタイプ)。したがって、βラクタム系抗菌薬は、MICを超える血中薬物濃度を維持する必要があります。


セフマゾンの半減期は約2.5時間なので、正常腎機能の方において1日2回投与ではMICを超える血中薬物濃度を維持できません。したがって、感染に対して脆弱な人工関節置換術後に対する周術期のセフマゾン投与では、1日3回投与が妥当な投与回数だと判断いたしました。

 

βラクタム系抗菌薬はTime above MICなので、分割投与が原則(1日2回投与よりも3回もしくは4回投与が理想的)です。薬物動態・薬力学に基づいたセフマゾン投与回数の妥当性につき、再度御検討いただけますよう何卒お願い申し上げます。


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CEZの3回/日投与が否定されるのは心外ですが、投与日数に関しては1日(もしくは24時間以内)でもよいかもしれません。これについては私の中で、今後の検討課題です。


急性期DVTには下大静脈フィルター(VCF)によるVTE予防が有用

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Medical Tribune Vol.45, No.50で、深部静脈血栓症(DVT)および肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism: VTE) に関する記事がありました。

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急性期DVTには下大静脈フィルター(VCF)によるVTE予防が有用
第53回 日本脈管学会


福島県立医大心臓血管外科の若松大樹先生の発表です。


・ DVTの積極的治療はカテーテル中心だが、EBMが不十分との指摘がある

・ 今回、DVTへのカテーテル血栓溶解療法(CDT)や下大静脈フィルター(VCF)の成績を検討した

・ CDT 36例と全身性血栓溶解 72例の比較では、血栓縮小率が良好だったのはCDT群で75%、全身性血栓溶解群が25%と、有意にCDT群の成績が良好であった

・ VCFは永久留置型を72例、一時留置型を40例に用いた

・ 一時型の挿入期間は5.0±4.7日(4~12日)で、血栓捕捉率は13%だった

・ VCF群のVTE非再発率は一時型100%、永久型95%だった

・ ガイドラインでは、一時型の適応を数週間で急性VTEが予防できればよいとしているが、福島県立医大では1~2週間の範囲で考えている

・ VCFはVTE予防に効果的で、特に急性期DVTでは一時型が有効だった

・ CDTの適応はより限定されてきている

・ 急性期DVTの侵襲的な治療時にはVCFによるVTE予防が不可欠

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DVTやVTEは整形外科医にとっても、非常に関心の高い領域です。ただ、整形外科医がカテーテルを挿入して治療するわけではないので、いまひとつ具体的に治療法をイメージできていませんでした。


近位型DVTは頻度的に少ないため下大静脈フィルター(VCF)に至る症例はあまり多くないですが、急性期の近位型DVTでは一時型下大静脈フィルターが推奨されているようです。


※ 私の運営している
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