整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

大腿骨転子部骨折の術中牽引方法の工夫

このエントリーをはてなブックマークに追加

昨日の午前は大腿骨転子部骨折の観血的骨折手術でした。
ネイルタイプの内固定材料を使用しています。


手術の際に患者さんを牽引手術台に乗せますが、一般的には開排位をとったり、上下段違いにして平行に牽引したりするケースが多いと思います。


私が上司に教えてもらった便利な方法をご紹介します。牽引手術台のアームを1本にして、健側の足を患側アームの上に落として抑制帯で固定する方法です。



P1050992





















メリットは下記のごとくです。
① 健側下肢がイメージの邪魔にならない 
② 股関節が拘縮して十分な開排位がとれない症例でも施行可能


注意点は、骨盤後傾が高度な症例では健側下肢が落ちない(股関節が伸展しない)ため施行不能なことです。健側下肢を抑制帯でアームにくくりつけるだけでは固定性に不安に感じるかもしれませんが、術中に下肢が落ちた症例はなく、特にトラブルは経験していません。


術中も快適なので、一度試されてはいかがでしょうか?



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

       
       総論   (診察・診断、治療全般、骨折・外傷、周術期管理)
 

       各論   (手の外科、肩関節、脊椎、股関節、膝関節、足の外科、腫瘍)

       その他 (関節リウマチ、痛風・高尿酸血症、骨粗鬆症、専門医試験)


TKA: 脛骨近位骨切りの工夫

このエントリーをはてなブックマークに追加


昨日午後の手術は、人工膝関節全置換術(TKA)でした。
出張先の病院だったので、アウェーでの手術でした。


私は、大腿骨の遠位骨切り ⇒ 脛骨近位骨切りの順番に行います。こだわるドクターはtibia firstなのでしょうが、やはり展開が難しい症例もあるので、最近では私は大腿骨遠位骨切りを最初に施行するようにしています。


大腿骨遠位骨切りが終了した時点で、下腿を軸方向にまっすぐ牽引します。10mmのスペーサーブロックを大腿骨遠位の骨切り面に当てて、これをメジャー代わりにして脛骨近位に電気メスでラインを引きます。


このラインが脛骨近位のおおよその骨切り線になるのです。このラインは骨切り量だけではなく、意外と下腿軸に垂直になっていることが多いので骨切りの内外反の判断基準としても有効です。


もちろん、リゼクションガイドやスタイラスで最終判断しますが、目安が多いに越したことはありません。出張先のドクターにとって、初めて見る工夫だったようで評判が良かったです。



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
    初学者がTKAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


                  

    
      人工膝関節置換術[TKA]のすべて−安全・確実な手術のために


米の人工膝関節全置換術施行数が過去20年間で2.6倍に

このエントリーをはてなブックマークに追加

Medical Tribune Vol.46, No.3で、米の人工膝関節全置換術施行数が過去20年間で2.6倍に という記事がありました。

----------------------------------------------------------------------

米の人工膝関節全置換術施行数が過去20年間で2.6倍に
JAMA (2012; 308: 1227-1236)


・ 米国ではTKAの年間施行数は約60万件で、1件当たりの費用は約15000ドルである

・ メディケア加入者集団におけるTKA施行回数とアウトカムが1991年から2010年にかけてどのように変化したかを検討した。

・ 初回TKAの施行例は、93230件(1991年)から243802件(2010年)まで増加した。

・ 再置換術の施行数は、9650件(1991年)から19871件(2010年)まで増加した

・ 初回TKA患者における肥満率は4.0%から11.5%に上昇した

・ 初回TKA患者の平均入院日数は、7.9日から3.5日に減少した

・ 初回TKA患者では、原因を問わない退院後30日以内の再入院率は、4.2%から5.0%に上昇した

・ 退院先の内訳は、自宅への退院と入院でのリハビリテーションが減少して、介護施設への退院と外来でのリハビリテーションが増加した。

・ 再置換術では、原因を問わない退院後30日以内の再入院率は、6.1%から8.9%に上昇した

・ 再置換術では、創傷感染症による再入院率が1.4%から3.0%に上昇した


---------------------------------------------------------------------


さすがに整形外科の総本山の国だけあって桁違いの手術件数です。米国におけるTKAの著明な増加は、安定した術後成績や肥満率の上昇などの複数の因子によるものなのでしょう。


私が気になったのは、平均入院日数の短縮と原因を問わない退院後30日以内の再入院率および創傷感染症による再入院率の逆相関関係です。さすがに平均入院日数を3.5日まで短縮するのはやり過ぎではないでしょうか。感染を併発すると、その患者さんの人生が一変します。私個人的には日本でTKAを受けたいですね。




 ★★ 『 整形外科の歩き方 』でお宝アルバイト獲得のための基本講座を公開中です! ★★


      



アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
医師のための 金融資産形成術
医師のための金融資産形成術

タダで自宅を手に入よう!

医師のための収益マイホーム購入マニュアル


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医


・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。