整形外科医のブログ

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スマホで遠隔医療可能?!

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先日、ケアネットで興味深いニュースを拝読しました。
スマホ写真で皮膚科の遠隔医療は可能 です。




 スマートフォンのカメラ機能の進歩(写真画質と画像転送の両方)は、患者と医師を直接つなぐ遠隔医療を成立させ、患者が治療を受ける機会を改善するのではと期待されている。では、小児皮膚疾患を、親から提供されたスマホ写真で正確に診断できるのか。米国・フィラデルフィア小児病院のDaniel M. O’Connor氏らによる前向き研究の結果、そうした方法で、正確な治療を提供可能なことが示された。


 研究グループは、2016年3月1日~9月30日に、フィラデルフィア小児病院の小児皮膚科クリニックにおいて前向き研究を行った。研究の主要目的は、親から提供されたスマホ写真に基づく診断と、対面診察での診断の一致率を評価することであった。また、副次目的は、親が写真の撮り方について指導を受けた場合と受けなかった場合とで、前記の一致率に影響がみられるかを評価することであった。


 対象は40組の親子(女児22例、男児18例、平均年齢[±SD]:6.96[±5.23]歳)。登録後、スマートフォンを用いて最も良い写真を撮影する方法について指導を受ける(簡単な3つのステップから成る方法が記載された指導シートを渡す)介入群と、何も指導をしない対照群とに、半々に無作為に割り付けられた。そして、割り付けに基づき、診察室で親はスマートフォンで子供の気になる部位の皮膚写真を撮り、電子カルテにアップロードして送信した。その後、基本的な問診調査などを完了。そのうえで全例が、外来スケジュールに基づき2人いる医師のうちどちらかの対面診察を受けた。一方で、遠隔医療専門医が、アップロードされた写真と問診調査などの情報を基に診断を行った。  

一致率は、評価者間で偶然起き得る一致を考慮してCohenκを用いて評価した。


主な結果は以下のとおり。

  • 全体において、写真に基づく診断と診察に基づく診断の一致率は83%(95%信頼区間[CI]:71~94%、κ=0.81)であった。 
  • 写真の画質が診断するのに十分高かった37組のサブグループにおいて、診断の一致率は89%(95%CI:75~97%、κ=0.88)であった。
  • 介入群と対照群で、一致率に統計学的な差はなかった(85% vs.80%、p=0.68)。 
  • 診断に迷う症例については、適切なフォローアップが提案されていた。





これは、なかなか興味深い記事だと思いました。最近、私は遠隔医療に興味を持っています。きっかけは、オンラインサロンでの遠隔医療に関する議論でした。


著書の中で、医師に襲いかかる5つの脅威のひとつとして遠隔医療に言及しています。しかし、執筆した2016年6月当時は、遠隔医療が注目されている状況ではありませんでした。



あれから1年ほどして、遠隔医療の萌芽があちこちでみられるようになりました。まだ将来的にどのような形になるのか分かりませんが、医療界を変革する可能性を秘めています。


サロンで活発に議論していると、自分だけではスルーしていた着目点がたくさんあることに気付かされました。もしかしたら、時代の転換点に居るのかもしれないな。。。


今回の米国からの報告も、それを支持しているように感じます。もちろん、カラーバス効果もあると思いますが、遠隔医療からますます目が離せなくなってきたと感じています。






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EULAR recommendations 2016

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先日、母校の関節リウマチの先生の講演を拝聴しました。
内容はEULAR recommendations 2016でした。


EULAR recommendations 2013との違いを説明していただきましたが、治療推奨6ではPhase1において、MTXに加えてステロイドの併用を強く推奨されるようになりました。


ステロイド投与は、MTX (csDMARD) 開始時や変更時に、30mg程度の量を静脈注射もしくは筋肉注射で投与して、臨床的に可能な限り短期的に減量することが望ましいとのことでした。


特に静脈注射もしくは筋肉注射のステロイドの短期使用が推奨されたのは、MTXの効果発現までの時間をステロイド投与でカバーする目的だそうです。


私はリウマチ専門医を保持しているものの、本職は関節外科医ということもあり、EULAR recommendations 2016をフォローしていませんでした。お恥ずかしいかぎりです。


今回の改訂ではMTX、ステロイド、bDMARD(生物学的製剤)、tsDMARD(JAK阻害薬)の役割が増した一方、MTXを除くcsDMARDが退潮しました。






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TKA: 骨太患者さんには要注意!

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先日、大柄な男性の人工膝関節全置換術(TKA)がありました。「骨太」な男性は関節が固いため、手術が難しくなる印象を抱いています。


大腿骨を通常よりも4mm切り上げて脛骨を2mm切下げましたが、それでもまだタイトなためインサートの挿入が難しかったです。


ほとほと困っていると、立ち合いの方が ①脛骨コンポーネントを設置 ②インサートを挿入 ③最後に大腿骨コンポーネントを設置する 施設があることを教えてくれました。


見たことの無い手技だったので半信半疑でした。しかし、トライアルしてみると、インサートを大腿骨トライアルに先立って挿入することで何とか設置可能でした。


  1.  脛骨トライアルを設置
  2.  最薄のインサートトライアルを設置
  3.  最後に大腿骨トライアルを設置


このようなケースでは膝窩部の止血が不可能となる問題点があるものの、どうしてもタイトでインサートさえ挿入できない状況では有用な手技だと感じました。


本番でもこの順番で設置しましたが、問題なくインプランテーションできました。この手技を採用する場合には、膝窩部に念入りにオピオイドカクテルを注射しておきましょう。


それにしても「骨太」な男性患者は要注意だと思いました。初めてsubvastus approachを施行した際、最後までインプラントを設置できず、術中revisionになったことがありました。



それ以来、骨太の男性患者さんには、どうも苦手意識があります。やはり、筋肉量の少ない女性患者さんが一番ストレスが少なくて楽ですね。。。






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