整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

血液透析施行例での関節リウマチ治療 その3

このエントリーをはてなブックマークに追加

血液透析施行例での関節リウマチ治療 その2 のつづきです。


経験上、大関節を人工関節に置換することは、ADLの改善だけではなく関節リウマチの疾患活動性を抑制する効果も期待できるように思います。このあたりは、整形外科系リウマチ医の感覚ですね。


しかし、透析+関節リウマチ+生物学的製剤投与という3重苦なので、術後感染が非常に怖いです。少しでも感染リスクを避けるために、生物学的製剤のスイッチングはTKAの術後にトライすることがベターであると判断しました。それまではバイオフリーで経過観察でしょうか。


とても気が重くて逃げ出したくなる症例ですが、誰かがリスクを引き受けなければなりません・・・。次の外来で、この方およびご家族と治療方針について話し合おうと思います。


もし、似たような症例を経験された方や、もっといい方法があると思われた方がいらっしゃるようなら、治療方針につき是非ご意見をお伺いしたいと存じます。何卒宜しくお願い申し上げます。


血液透析施行例での関節リウマチ治療 その2

このエントリーをはてなブックマークに追加

血液透析施行例での関節リウマチ治療 その1 のつづきです。


まず、MTX投与不可なので代わりとなるDMARDsを検討しました。透析例でも使用可能なDMARDsとしては、アザルフィジン(SASP)やアラバ(LEF)があります。LEFは間質性肺炎が怖いので、まずはSASPを投与開始してみました。DIを参照したところ、透析例でも減量の必要性は無いとのことです。


次に生物学的製剤のスイッチングについて検討しました。レミケード(INF)、アクテムラ(TCZ)、オレンシア(ABA)、シンポニー(GLM)などの投与間隔の長い製剤は、週3日の透析毎に除去されてしまうため効果の持続を期待できません。投与間隔が最も短い製剤はETN 25mgです。


この方にはETNが一次無効であったので再開するのもどうかと思いましたが、ETNは中和抗体が無いので試してみる価値はあるかなと思いました。


そして現在、この方が最も困っているのは、左膝関節と両肘関節痛です。単純X線像ではそれぞれ高度の関節破壊を認めます。立位もままならない状態なのでADLの改善には人工膝関節全置換術(TKA)が望ましいと考えました。


血液透析施行例での関節リウマチ治療 その3 につづく


※ 2013.4.25追記
生物学的製剤に透析性はありません。したがって、通常通りの使用方法が可能です(MTXが使用できないため、選択できる薬剤が限られます)。尚、感染のスクリーニングおよびモニタリングには十分に留意するべきです。詳しくはこちらをご覧ください

血液透析施行例での関節リウマチ治療 その1

このエントリーをはてなブックマークに追加

最近、外来で悩ましい関節リウマチの患者さんを散見します。
その中のお1人で、慢性腎不全を併発しているコントロール不良の患者さんがおられます。


この方は発症してから30年以上たっており、当初はシオゾールを投与されていました。MTXが解禁になってからはリウマトレックスで治療を受けていましたが、コントロール不良のため5年前からエンブレル(ETN)も導入されました。


3年前に血液透析導入となったため、MTXは中止されています。ETNが一次無効であったため、2年前にヒュミラ(ADA)にスイッチされたようです。しかし、当院紹介時の疾患活動性がSDAI  21.4 / DAS28-ESR  9.7 と目を背けたくなるような状態でした。


一般的に考えて血液透析を導入した関節リウマチの患者さんは、疾患活動性が低下することが多いと思います。考えてみれば血液透析を施行するということは、週3日も血漿交換しているようなものですから。


しかし、この方はなかなか関節リウマチのコントロールをつけることができません。前医の苦しみが手に取るように分かります。慢性腎不全なのでアンカードラックであるMTXを使用できないのが辛いところですが、治療方針について考えてみました。


血液透析施行例での関節リウマチ治療 その2 につづく


アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
医師のための 金融資産形成術
医師のための金融資産形成術

タダで自宅を手に入よう!

医師のための収益マイホーム購入マニュアル


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医


・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。