整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

TKA: 脛骨側の展開

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人工膝関節全置換術(TKA)の続きです。


まず、脛骨結節部は電気メスで骨膜剥離の取っ掛かりを作ります。コブやエレバトリウムで剥離してもよいのですが、骨膜を破る取っ掛かりがあるとスムーズに剥離できます。


脛骨内側のreleaseは脛骨結節上縁位(関節面から2cm位=MCL深層停止部)まで、一気に剥離します。剥離しすぎてMCL深層停止部を破綻させるとまずいので、慣れないうちは脛骨結節上縁に停止するG, STを直視で確認しておく方が安心かもしれません。


下腿を外旋しながら背側にエレバトリウムやラスパトリウムを挿入できるまで骨膜下に剥離します
。まず第一にこの処置を行い、出来るだけ早く背側に到達するのが肝要です。尚、上記の操作は通常の内側型OAに関するもので、外反膝等の特殊な症例ではこのかぎりではありません。


次に、早い段階でACLを切離して脛骨を前方に引き出せるようにします。ACLを電気メスで切除してからレトラクターを脛骨後顆に掛けて脛骨を前方に引き出し、内外側の半月の後方半分を切除します。少し怖いですが、思い切って脛骨を前方に引き出した方が手術を行いやすいです。

TKA: 良好な術野を得る工夫

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人工膝関節全置換術(TKA)の続きです。


TKAも全ての手術の例に漏れず、展開が成否に大きな影響を及ぼします。
いかに上手に展開するかが、ひとつのチェックポイントなのです。


TKAでは膝蓋骨をどう排除するかがポイントです(THAでは大腿骨)。

膝蓋骨を脱臼しにくい時は、下記のごとくの操作を順次行います。


① 展開が難しいことが予想される症例では、medial parapatellar approachを選択する
② 大腿四頭筋の切離を延長する
③ 大腿骨外顆の外側に突出している骨棘や膝蓋骨の骨棘を切除する
④ 膝蓋腱の裏側を脛骨から剥離する(当然、脛骨停止部まで剥離してはいけない)
⑤ 膝蓋骨
のラフカットを行う


いずれにせよ、術野を全体として俯瞰して判断することが重要です。

TKA: 作図のチェックポイント

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今日は、夏休みで病院を休んでいます。
ネタが無いので、人工膝関節全置換術(TKA)の作図のチェックポイントをまとめてみたいと思います。


まず、日本人に多い内側型OAの場合、通常立位正面で外側関節裂隙が開きます。術中は外側の靱帯バランスに内側を合わせてreleaseしていくので、外側の骨切り量+立位正面での裂隙のスペース = インプラント+インサートの厚みになります。従ってこの段階でインサートが厚すぎる場合は内側のwedge等も考慮しなければいけません



大腿骨ガイドロッドのエントリーポイントは、大腿骨骨軸の延長線上です。したがって、必ずエントリーポイントが大腿骨遠位のどこになるかを記録しておく必要があります。大腿骨外顆の低形成がある場合、エントリーポイントがかなり内顆寄りにくることがあるのです。これで決定した大腿骨の骨軸を用いて外反骨切り角を決定します。


エントリーポイントの位置は非常に微妙なので、X線フィルムに直接マーキングすることをお勧めします。同様に大腿骨・脛骨の内外顆の骨切り量も非常に微妙なので、X線フィルムに直接マーキングする方がよいかもしれません。

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