整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

TKA: 術前計画をフィルムに直接書き込む方式に変更しました

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私が勤務している病院では、2012年度の人工関節全置換術の症例数が68例でした。
整形外科常勤医が3名の病院としては、症例が多い方だと思います。


年末年始やゴールデンウィーク期間を除外すると、平均して週2症例程度です。3名体制なので、どんどん業務をこなしていかないと間に合いません。術前の自己血貯血や手術説明(informed consent; IC)も大変ですが、術前の作図も時間的に結構な負担になっています。


TKAの術前計画に関しては研修医時代からの習慣で、トレーシングペーパーに単純X線像をトレースしてインプラントのテンプレートのコピーを貼り付けるという「作図」という作業を行っていました。しかし、1症例あたり30分程度掛かるので、時間的な負担が馬鹿になりません。


TKAの術前計画において、実際的に最も重要なポイントは下記の4つです。
① 正確な単純X線像の2方向でのインプラントのテンプレーティング
② 立位下肢全長正面像での外反骨切り角
③ 立位下肢全長正面像での大腿骨側髄内ガイドのエントリーポイント
④ 立位下肢全長正面像での大腿骨・脛骨内外顆の骨切り量



P1050900




単純X線像のフィルムに直接書き込む方が、紙にトレースするよりも断然早くて正確な術前計画が可能です(勤務先は画像をフィルムで運用しているので、高精細モニタによるデジタルプランニングツールの使用経験はありません)。


そこで、最近は紙ベースでの「作図」は止めて、フィルムに直接書き込む方式に変更しました。これだと5分程度で術前計画が終了するので、非常に時間的にも楽になりました。研修医時代からの慣習に囚われずに、省略化できることはどんどんやっていこうと思っています。


※ THAに関しては、フィルムに直接書き込む方式よりも紙ベースでの「作図」の方が望ましいと考えています。


一流の心臓外科医になるための条件とは

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Medical Tribune (2013.1.10)で、「一流の心臓外科医になるための条件とは」 という対談記事がありました。

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須磨ハートクリニック院長 須磨久善先生と順天堂大学心臓血管外科教授 天野篤先生の対談です。


・ 心臓血管外科医の場合、その施設での手術件数が年間150-180例程度が若い医師のトレーニングに適した症例数である

・ それ以上の症例数ではその場限りで、処理しきれないとのことです

・ 天野先生が30歳のころは、大学内でいつになったら執刀できるのか、全く約束事はなかったそうです

・ 天野先生は手術オンリーに特化していて、患者さんとのコミュニケーションや患者管理は若手医師に任せています

・ そうしたことがきちんとできて手術の中でも何かを獲得しようと努力している人や、患者さんの機能や術後の予後を少しでも良くしようという姿勢が見える人にチャンスを与えるそうです

・ 基本的に外科医はアスリートなので体力を付けておくことは必須条件である


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やはり、心臓血管外科は厳しい科ですね。やる気はもちろんですが、ある程度運がないと一流の外科医になれるチャンスが少ないように思えます。


不謹慎ですが、整形外科医を選んで良かったなと感じました。


TKA: ボーンモデル非使用でテーラーメードの骨切りガイドのシステムを使用しました

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今日の午前は、人工膝関節全置換術(TKA)でした。
本日の機種は、バイオメット社のVanguard Complete Knee Systemです。


以前に記事を書きましたが、バイオメット社はSignature というCTベースのボーンモデルによる、テーラーメードの骨切りガイドのシステムを提供しています。本日は、ボーンモデル非使用でテーラーメードの骨切りガイドのシステムを使用しました。


Signatureの使用料はバイオメットの定価が65000円で、これがディーラーを経由して病院にはディスカウント価格で納品されます。病院サイドからみると、「画像等手術支援加算」の「ナビゲーションによるもの」の2000点を請求します。実質的には15000円程度の負担(ボーンソー1枚分程度)となります。


前回はボーンモデルを使用できたので、骨切りガイドの接触ポイントがよく分かりました。しかし今回はボーンモデルが無かったので脛骨側の骨切りガイドの設置位置がよく分かりませんでした。最初に骨切りガイドを設置した部位にピンを刺入すると、とんでもなく内反位になってしまいました。


もう一度トライしましたがマルアライメントになりました。3度目の正直でようやく許容範囲かなと思える部位に設置できました。2回程度のテーラーメードの骨切りガイドシステム使用経験では、実用レベル(従来法よりも迅速かつ正確に骨切りできるレベル)にはほど遠い印象です。おそらく10回程度の使用経験が無いと、ラーニングカーブが立ち上がってこないのではないかと感じました。


しかし、ある程度の経験を積んだ関節外科医であれば、テーラーメードの骨切りガイドのシステムを用いて普段と異なった視点でTKAの骨切りを施行することができるため、新しい気付きを得ることができるかもしれません。



※ TKAの手術記録のテンプレートが必要な方は、私の運営するサイト
から自由にダウンロードしていただけます。ただし、手術記録のテンプレートはあくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行っていただけますよう重ねてお願いいたします


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