整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(Henoch-Schoenlein Purpura; HSP)

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先日、当直中に両足背が腫れて痛がるという3歳児が受診しました。外傷の既往は特に無いとのことでしたが、1週間ほど前に腹痛で小児科を治療を受けたという既往がありました。


痛がるという足を診ると、足背全体がびまん性に腫脹しており紫斑がありました。アレッ?と思って下腿をみると赤い点状の紫斑が多数ありました。わりと典型的なヘノッホ・シェーンライン紫斑病でした。


一度診ると忘れられない特徴のある赤い点状の紫斑なので、こちらも自信をもってご両親にヘノッホ・シェーンライン紫斑病であるが、それほど心配する必要がない旨を説明しました。ただ今後1~2ヵ月程度は小児科でタンパク尿が出ないかを確認してもらう必要があることは告げました。


ヘノッホ・シェーンライン紫斑病は、何らかのアレルギー反応で小血管に炎症がおこることで発症する疾患です。全身の小血管に炎症をおこすので、消化管の小血管に炎症をおこすと腹痛、皮下の小血管におこすと紫斑、腎臓の小血管におこすと血尿をきたします。また半数以上で関節痛をきたすため、整形外科を初診するケースも多いです。


大多数は4-6週間で自然軽快しますが、稀にタンパク尿が続くときは腎症が重症化して腎不全に移行することがあります。このため、発症後1~2ヵ月程度は尿検査を継続する必要があるそうです。



健康食品やサプリメントを考える ~グルコサミン、コンドロイチン~

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健康食品やサプリメントを考える その2 のつづきです


③その他の健康食品は、客観的な効用・効果が全く証明されていません。仮にメタアナリシスを行っても有意な効果が証明されることはまず無いでしょう。


整形外科医になじみの深い(?)健康食品にグルコサミンやコンドロイチン硫酸があります。グルコサミンは滑液の成分であるヒアルロン酸を構成する物質で、コンドロイチン硫酸は関節軟骨の成分です。


グルコサミンやコンドロイチン硫酸は、高齢者の関節痛に効果があると宣伝されています。これらの成分は関節軟骨や滑液の構成物質なので、経口摂取することですり減った軟骨の再生を促したり、滑液の補充になるという理屈だそうです。


しかし、これらが効果を発揮するには2つの大きな壁があります。一つ目はヒアルロン酸もコンドロイチン硫酸も分子量が大きく、経口摂取しても吸収されないことです。この問題をクリア(?)するために、ヒアルロン酸よりも分子量が小さなグルコサミンや、コンドロイチン硫酸の中でも特に低分子の物質が使用されています。


2つ目の大きな壁として、仮にグルコサミンやコンドロイチン硫酸が体内に吸収されたとしても、これらの物質が都合よく関節に到達して軟骨の再生や滑液の増加を促してくれるのかという問題があります。感覚的には経口摂取した成分の1/10000~100000でも関節に到達したら御の字かなと思います・・・。


整形外科医の常識では、ヒアルロン酸の関節腔内注射においてヒアルロン酸の分子量が大きければ大きい程、関節痛の除痛効果を見込めます(例えばサイビスク)。しかし市販の健康食品は経口摂取という高いハードルをクリア(?)するために、分子量が低いほど関節の除痛効果を期待できる良質な健康食品(!)というワケの分からないロジックがまかり通っています。


以上を総括すると、グルコサミン・コンドロイチン硫酸・ヒアルロン酸の経口摂取は、消費者の無知につけこんだ詐欺的な商品としかいいようがないです・・・。ただ、書いていて気付いたのですが、やはり整形外科医でなければこれらの知識は無いため、業者のセールストークに騙されても仕方がないのかもしれないと思いました。


もしかしたら、他科の医師でさえもこれらの健康食品が関節痛に効くと思っている方がいらっしゃるかもしれません。整形外科医の役割として、健康食品に騙されないように啓蒙することも必要かなと思いました。


※ 私は外来で患者さんに健康食品やサプリメントの効用について訊かれると、『さほど体に悪くはないでしょうがドブにお金を捨てているのと同じなので、そのお金で美味しい食べ物を食べる方が心が豊かになると思います』と答えるようにしています。

健康食品やサプリメントを考える その2

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健康食品やサプリメントを考える その1 のつづきです。


まず、健康食品は、①特定保健用食品(いわゆる”トクホ”) ②栄養機能食品 ③その他 に分けられます。①と②は保健機能食品といわれ、機能・用途の表示が国に認められています。


①の特定保健用食品(いわゆる”トクホ”)は、ヘルシア緑茶やペプシスペシャルで有名ですが、現在トクホの許可を受けた商品は1000品目を突破しているそうです。トクホは消費者庁長官の許可を受けており、効果が科学的に証明されています(ただし、医薬品と比べてかなり眉唾モノな審査ですが・・・)


栄養機能食品は、ビタミンやミネラルなどの特定の栄養成分の機能が表示できます。ただ、トクホと違って国の審査は不要で、栄養成分の規格基準に一つでも適合していれば、製造業者の責任で、栄養成分の機能を表示することができます。


医療人の感覚では、トクホや栄養機能食品でさえかなりいい加減な印象を受けますが、③その他はまさに無法状態です。世の中のほとんどの健康食品やサプリメントは、このジャンルに当てはまります。次回は、いよいよ無法地帯のジャングルの中に踏み込んでいこうと思います(笑)。


健康食品やサプリメントを考える ~グルコサミン・コンドロイチン~ につづく



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