整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

TKA: 脛骨骨切量を正確に判定する方法

このエントリーをはてなブックマークに追加


昨日の午前は人工膝関節全置換術(TKA)でした。
特に問題の無い方で、手術は通常通り終了しました。


TKAの手術操作で最も気を使うのは、脛骨近位骨切りの段階だと思います。髄内ガイドの場合、大腿骨遠位骨切は骨切ガイドがしっかりしているので迷うことは無いですが、脛骨近位骨切に関しては感覚に拠る部分が多いからです。


髄外ガイドを用いて正確に脛骨近位の骨切するためには下記が重要です
① 術前に透視下で脛骨長軸を皮膚上にマーキングしておく
② 脛骨骨切のを設置する際に、リゼクションガイドで脛骨内外顆の骨切量を確認する
③ スタイラスで脛骨内外顆の骨切量を確認する


このうち、最も正確に脛骨骨切量を判断できるのは、実は③なのではないか?と最近思っています。③のスタイラスで骨切量を計測する場合には、脛骨外顆に残存する軟骨の厚みが問題になります。


軟骨の残存程度が症例によってまちまちなので、スタイラスやリゼクションガイドでの目視による骨切量判定には限界があると思っていました。しかし、よく考えると電気メスで軟骨を焼却すると容易に軟骨下骨を展開することが可能です。


一般的には脛骨外顆関節面に軟骨が残っていることが多いので、2c㎡程度の軟骨を焼却すると
実際の骨切量を容易に目視で確認することが可能になります。あなたはどのようなことを工夫されているのでしょうか?ウマイ方法があれば、是非教えていただきたいと思います。




       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
    初学者がTKAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


                  

    
      人工膝関節置換術[TKA]のすべて-安全・確実な手術のために


痛風発作時の血清尿酸値が正常の方の診断・治療をどうするか?

このエントリーをはてなブックマークに追加

昨日の夕方は、近くのクリニックで夜診をしていました。
ちょうど60歳台の男性が左母趾基部の痛みで受診されました。


身体所見から痛風発作の可能性が濃厚なのですが、血清尿酸値が6.0mg/dLしかありませんでした。この方は半年前にも同様の発作を発症しており、その際も7.0mg/dL未満だったようです。


このような発作時に血清尿酸値が正常範囲内の方は意外と散見します。高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版の治療のフローチャートを見ると、血清尿酸値が7.0mg/dL以上がスタートラインなので、入口の段階で薬物治療の適応外となってしまいます。


しかし、発作を繰り返すので何とかして欲しいとのことだったので、今回の炎症が鎮静化した時点で、再度血液生化学検査を施行することにしました。


痛風発作の最中には、サイトカインの影響で腎臓からの尿酸排泄が亢進していることがあります。つまり、普段は高尿酸血症なのに、痛風発作時のみ血清尿酸値が正常化するのです。


このような方は非発作時の血液生化学データを調べて、本当に高尿酸血症ではないのかを確認する必要があります。そして高尿酸血症なら迷わず治療開始となります。高尿酸血症の診断・治療も意外と奥が深いですね(笑)。




       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
骨粗鬆症と高尿酸血症のガイドラインです。エビデンスに基づいた治療指針を学べます。


                                          

           骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン〈2011年版〉



                      

           高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版

THA: 大腿骨過前捻症例ではステム・ファーストもアリです

このエントリーをはてなブックマークに追加


昨日の午前の手術は、人工股関節全置換術(THA)でした。Crowe classification grade 2の高位脱臼股でした。おまけにCTの計測上、大腿骨頚部前捻角40度とやや過前捻が予想されました。


機種選択で迷いましたが、比較的若年者だったのでポリエチレンライナーを基準にしてX3(つまりStrykerのTrident HA cup)を選びました。この場合、ステムはAccolade Ⅱとなります。


どのような場合にも対応しようと思えばS-ROM-Aですが、カップ側に問題があります。しかし、Accolade Ⅱはmodular typeでもchangable neckでも無いので大腿骨過前捻には対応できません。


このような場合、寛骨臼のリーミングが終了した時点でカップを設置せずに大腿骨側の操作に移ります。最後までラスピングする必要はないですが、ある程度のサイズまでラスピングしてステムの挿入される角度を確認するのです。


ステム挿入の角度が大きいようなら、前方脱臼を予防するためにカップの前方開角を少なめにして対応します。TKAのtibia firstならぬ、THAのstem firstです(笑)。なかなか良い工夫だと思いますが、いかがでしょうか?





       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
    初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


                   
    
                                    人工股関節全置換術



アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

医療研究を身近な存在とし、医療の未来を作る


管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。