整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

THA: 展開不良例では骨棘切除で対応を

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昨日の午前の手術は、人工股関節全置換術(THA)でした。
寛骨臼前・後方に大きな骨棘を形成している臼蓋形成不全の強い症例でした。


このような症例では術野を展開する際に、前後の骨棘が邪魔になることが多いです。大腿骨頚部の骨切ラインが高くないのであれば、これらの骨棘を切除すると術野の展開が改善されます。


この際に、カップトライアルを一度挿入して電気メスでおおよその骨棘の切除範囲をマーキングすれば、スムーズに骨棘を切除することができます。


骨切除はノミを用いますが、特に寛骨臼前方ではレトラクターもしくはエレバトリウムを挿入しておき、前方の神経・血管束を損傷しないように保護しておく必要があります。


あらかじめ術前CTで寛骨臼前壁と神経血管束の位置関係を把握することが可能です。個人差が大きく、意外なほど寛骨臼前壁に近い部位に神経血管束が走行している症例を散見します。


このため術前CTでは、股関節の角度や大きさなどの骨形態の情報だけではなく、神経血管束と股関節の位置関係を確認することが非常に重要となってきます。


現時点で3Dテンプレートは骨の形態しかシュミレーションできないので、神経血管束に関しては従来のCTを丹念に読影することが重要だと思います。



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高齢者は身体反応に乏しい

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今週の月曜日に大腿骨転子部骨折の手術をした方が入院しています。
昨日ぐらいから何となくぐったりしているので、念のため採血したところ、CRP 27でした!


しかし、WBC 5900で、熱発もありません。胸腹部CTを施行すると右中~下肺野にかけて浸潤影および胸水を認めました。内科医に診察を仰いだところ診断は肺炎でした。


身体所見では胸部にraleは聴取せず、またroom airでのSaO2は96%でした。つまり、ややぐったりしていること以外ではCRP 27になるような肺炎を併発していることが判断できなかったのです。


私は、一見して問題なさそうな方に関しては術翌日と1週間後に血液生化学検査を行っています。しかし、今回のように高齢者では身体反応が弱いため発熱しないケースを散見します。


このあたりを考慮すると、特に高齢者では術後4日目前後にも血液生化学検査を施行しておく方が安全なのかなと思うようになりました。


施設や主治医によって検査を施行する日程はばらばらだと思いますが、どのようなスケジュールが一般的かつ安全なのかをご存知の方は是非教えて欲しいところです。



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正確なGarden分類はCTが便利

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本日の午前中は大腿骨頚部骨折に対する関節内骨折観血的手術でした。
私は、ハンソンピン(正確にはHOMS技研のSB FIX)を使用しています。


高齢者では認知症の存在や早期離床の観点から、免荷を実行することが難しいです。このため、Garden分類の正確な判定が、術式の決定に重要となります。


私はオーソドックスに、Garden分類のstage 1・2では骨接合術を、stage 3・4では人工骨頭置換術を選択しています。ちなみにstage 2・3の違いは、カルカーでの転位の有無で判断しています。


カルカーでの転位が僅かであるからといってGarden分類のstage 3で骨接合術を選択すると、偽関節や大腿骨頭壊死症を併発して人工骨頭置換術をせざるを得ないことがあります。


しかし転位が僅かの場合には、高度の骨粗鬆症・着衣・下肢の肢位などが原因で、単純X線像のみではGarden分類stage 1~3のいずれに該当するのかが判りにくいことがあります。


このような場合、理想を言えば私達医師が撮影現場に立ち会って何度も単純X線像を撮影したらクリアできるかもしれません。しかし、忙しい実臨床では現実的ではありません。


そこで私は、紛らわしいケースではCTを施行することにしています。前額断の再構成画像で読影すると、カルカーでの転位の有無が簡単に判断できるので自信を持ってタイプ分類ができます。


本日の方は左大腿骨頚部骨折ですが、単純X線像でhead-neck junctionに不整像を疑い、stage 3の可能性もあるかも?と思っていましたが、CTではstage 1でした。


Xp



CT




多少、過剰医療の誹りを受けるかもしれません。しかし、ルーチン的に施行しているわけでもなく、また月に1度あるかないか程度なので、私的には重宝している診断ツールです。




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