整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

医薬品の治験について

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関節リウマチの領域では新薬ラッシュが続いています。
現在、〇〇〇〇はフェーズⅢなので発売までもう少しかかりそうだ、とかいう会話がよく交わされます。


なんとなく分かっているつもりになっていましたが、実はあまりよく理解していなかったので、治験はどのような流れで進んでいるのか調べてみました。


治験は第Ⅰ相から第Ⅳ相までの4段階で行われることが多いです。抗がん剤に関しては第Ⅲ相試験に多大な時間のかかるため、第Ⅱ相までの結果をもとに第Ⅲ相の試験実施計画も併せて承認申請を行うことがあるようです。


第Ⅰ相試験(フェーズⅠ)
健常成人を対象として、被験薬を少量から段階的に増量し、被験薬の薬物動態や安全性について検討します。


第Ⅱ相試験(フェーズⅡ)
第Ⅰ相試験の結果をうけて、比較的軽度な少数の患者さんを対象にして、被験薬の有効性・薬物動態・安全性などの検討を行います。


第Ⅲ相試験(フェーズⅢ)
市販後にその被験薬を使用するであろう患者さんを対象にして、有効性の検証や安全性の検討を主な目的として、より大きな規模で行われます。それまでに検討された有効性を証明するのが主な目的であるため、ランダム化や盲検化などの試験デザインが採用されることがほとんどです。


製造販売承認申請
第Ⅰ相から第Ⅲ相までの試験成績をまとめ、医薬品の製造販売承認申請が行われます。規制当局(医薬品医療機器総合機構)による審査を受けて承認されると、医薬品としての販売が可能となります。


第Ⅳ相試験(フェーズⅣ)
製造販売後臨床試験と呼ばれ、実際に市販した後に広く使用されることにより、第Ⅲ相試験まででは検出できなかった予期せぬ有害事象や副作用を検出するのが主な目的です。市販直後調査及び市販後調査によって行われるのが通例です。


だいたいフェーズⅢまで行くと、市販される可能性が高くなってきます。いま話題の経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬は、フェーズⅢを終えて承認申請中です(2012.12.15現在)。

急速破壊型股関節症に対するTHA  その2

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急速破壊型股関節症に対するTHA  その1 のつづきです


これ以上奥にはリーミングできず、予定より2mmオーバーまでサイズアップしました。ほとんど海綿骨が無い状態だったので予定通りトライタニウムを選択してインパクションしましたが、カップが十分に固定できませんでした!


この手のカップで初期固定を得られなかったのは初めてです・・・。後から考えると、もうワンサイズ大きくしてもよかったのかもしれませんが、前壁が膜状なのでリーミングやカップインパクションの段階で前壁骨折を併発するリスクが高くなります。


結局、もう一度軽くリーミングしてからインパクションして、3本のスクリューで固定しました。経験則から、カップ本体の固定性が不良の際でも、スクリューが3本ともしっかり効けば翌日からの全荷重歩行に耐えられると思います。


このようなカップ固定性が不良の場合の注意点として、スクリューを刺入するとカップの外方傾斜角が若干大きくなる傾向があります。あまりに大きくなってしまう場合にはカップの再設置を躊躇してはいけません。


結構、経験を積んでいるつもりですが、いまだに冷やっとする場面が時々あります。手術ってやっぱりコワいですね・・・。


急速破壊型股関節症に対するTHA  その1

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今日の午前は、人工股関節全置換術(THA)でした。急速破壊型股関節症(RDC)の方で、術前CTから寛骨臼側の骨質が不良であることが予想できました。


RDCでは骨破壊が高度なことが多く、本日の方も前壁がペラペラの薄い膜にようになっていました。内板までの距離も短いため前後壁で十分にカップを被覆できません。かなり思案した結果、後壁に合わせてリーミングを行い、前壁はほとんど無いものと考えてトライタニウム(Tritanium)でお茶を濁すという術前計画を立案しました。


ちなみにトライタニウムとはストライカー社製のカップで、高い摩擦係数と多孔率によって固定性が高いことがウリのカップです。ジンマー社も、トラベキュラーメタル(trabecular metal)という同様のカップを販売しています。
両者を比較した記事があるので参考にしてください。


さて術中所見ですが、予想に違わずひどい状態でした。寛骨臼内は易出血性の滑膜に覆われており、寛骨臼は最初から内板が半分以上露出していました。リーミングすること約5秒で、ほぼ海綿骨が無くなってしまいました・・・。合計でも最終サイズまでのリーミング時間は10秒程度しかありませんでした。


RDCや関節リウマチ等の寛骨臼の骨質が不良の症例では、間違っても最初から全力でリーミングしてはいけません。ファーストコンタクトの段階では、だいたい50%程度の力でリーミングして様子をみることを強くお勧めします。


急速破壊型股関節症に対するTHA  その2 につづく


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