整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

マレット骨折に対する経皮ピニング

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今日の午後は、マレット骨折に対する経皮ピニング(石黒法)でした。
整形外科手術の中では、最も簡単な手術のひとつと思われがちですが何個か落とし穴があると思います。


まず、extension blockのピンですが、中節骨に対する刺入角度が急だと骨片の整復力が不足します。私の中での理想は中節骨内で髄内釘となることですが、刺入点の関係でなかなか難しいです。


更にextension blockのピンを背側皮膚上で短く切断してしまうと、皮膚を介しての整復力が不足します。したがってガーゼ交換の際の邪魔にならない程度に比較的長く残した方が無難です。


DIP関節の固定は指尖から刺入すると簡単ですが、術後の疼痛を残しやすいことと、C-wireが骨折部にかかることが難点です。したがって私の場合、尺側の側方から斜めに刺入してDIP関節を固定します。


4週程度でC-wireを抜去しますが、術後のリハビリテーションも注意が必要です。
何も考えずにDIP関節の可動域訓練をすると再骨折をおこすことがあります


これを防止するには末節骨基部を背側方向に持ち上げながら伸展訓練をおこなう必要があります。たかがマレット、されどマレットといったところでしょうか。

経営者の視点で整形外科勤務医の診療行動を考える その3

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経営者の視点で整形外科勤務医の診療行動を考える その2 のつづきです。


手術に関しては、同じ手術でも項目によってかなり異なる点数になるので注意が必要です。


例: 足関節脱臼骨折のSE stage 2
     骨折観血的手術      K-046-2 / 14810点
     関節内骨折観血的手術  K-073-2 / 17070点
     関節脱臼観血的手術   K-063-2 / 18810点


もちろん、関節脱臼観血的手術 K-063-2 / 18810点で請求します。
ただし、SE stage 4だと関節脱臼観血的手術 × 2~3関節は認められないので、
関節内骨折観血的手術 × 2~3関節となります。


点数の取り漏れもよくあります。
THAでカップ上方に骨移植する場合が多いですが、これは骨移植術 K-059-1 / 14030点を必ず請求します。術後のギプスシーネ J-122も忘れ安いので注意が必要です。


* 点数はいずれも2012年4月1日の最新版です。

書評: ドクター和田の輸液の基礎知識-プログラム演習

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今日は書評です。



大腿骨近位部骨折などの高齢の患者さんを治療することが多いので、整形外科医にとって輸液は必須の知識です。しかし内科的な治療は、日常診療であまり接点が無いため、どうしても中途半端な知識に留まりがちです。


経験だけに頼った輸液の知識体系を整理するために、”ドクター和田の輸液の基礎知識-プログラム演習”はお勧めの書籍です。著者の和田先生は輸液関係の書籍を多数執筆されていますが、残念ながら1997年に逝去されています。1977年初版の本なので、相当に歴史の長い評価された名書だと思います。


               ドクター和田の輸液の基礎知識―プログラム演習



私自身、研修医時代に国試との知識のギャップに悩まされていたときに、この本に出会いました。古くからある本ですが、演習方式なので比較的簡単に頭にはいってきた記憶があります。


全体を通読する必要は無く、目次をパラパラ見て興味のある章を流し読みする程度でよいと思います。それだけでも知識の整理ができて、ある程度の自信をもって術後輸液の管理を行えると思います。

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