整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

THA: 術前の健側下肢のポジショニング

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今日の午前は人工股関節全置換術(THA)でした。
当院では前方アプローチ(DAA)ではないので、
前外側(AL)、後外側(PL)アプローチとも側臥位で施行します。


hip positionerで骨盤を固定していますが、今までは健側の股関節をやや屈曲位にして抑制帯を掛けていました。しかしこの肢位では大腿骨側の操作に際に、手術側の股関節を内転すると、健側の膝に当たってしまい十分に大腿骨を浮上できません。


これを回避するために健側の股関節を屈曲・伸展0度近くにして固定すると、健側の膝に邪魔されずに手術側の股関節が十分内転できるため大腿骨が簡単に浮上することに気付きました。本当に些細なことですが、これだけでかなり大腿骨側の操作が容易になります。


もちろん、THAだけではなく人工骨頭挿入術でも同様の効果を見込めます。もし、あまり健側下肢のポジショニングにこだわっていなかったのなら、一度試してみてもいいかもしれません。

橈骨頚部骨折に対するK-wireによる固定術

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昨日の午後は、成人の橈骨頚部骨折でした。
橈骨頭の傾斜角度が30度程度あったので手術適応と判断しました。


術式ですが、エンダー釘風に橈骨遠位端からK-wireを刺入して、橈骨頭を挙上・整復固定しました。昨日の症例では第2コンパートメント部(リスター結節橈側)の橈骨遠位端を2.4mm K-wireで開窓して、1.8mm K-wireを髄内に刺入しました。


1.8mm K-wireは、先端が鈍な方から刺入します(鋭な方から刺入すると橈骨頭軟骨下骨を穿孔する危険性があります)。また先端から1cm程度のところを少しだけ曲げておくのがポイントです。手元の鋭な方も同じ方向に曲げておくと操作性が向上します。


ペンチでK-wireを把持してハンマーで叩打することで橈骨髄内へ刺入します。手でグリグリするだけでは固くて髄内に刺入できません。先端が橈骨頚部に到達した時点で、K-wireの手元を回旋して先端を、骨折を整復するのに適した方向に合わせます。


軽くハンマーで叩打しながら慎重に橈骨頭を挙上・整復していきます。ここで強く叩打すると橈骨頭軟骨下骨を穿孔するので注意が必要です。術後は、刺入部のK-wireをベンダーで曲げて皮膚の上にだしておく方がベターだと思います。

TKA: ライトメディカルのEVOLUTIONの使用経験

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今日の午前は、人工膝関節全置換術(TKA)でした。使用機種は、ライト・メディカル(WRIGHT MEDICAL)が今年1月から販売開始したEVOLUTIONでした。


EVOLUTIONの特徴は、脛骨コンポーネントにも左右があることです。主なインプラントメーカーで脛骨コンポーネントにも左右があるのは、ライト・メディカルとスミス&ネフュー(Smith & Nephew)のみです。日本、米国、韓国の3カ国300人のTKA患者さんの膝の解剖学的データを元にして、EVOLUTIONの脛骨コンポーネントは開発されたそうです。


解剖学的に脛骨内顆は外顆に比べて大きいため、脛骨インプラントのサイズは外顆の前後径で決定します。このことから脛骨コンポーネントに左右が無いと、必然的に脛骨内顆の前後のカバーレッジが悪くなります。脛骨コンポーネントにも左右をつくることで、脛骨内顆のカバーレッジ(被覆度)を上げることが可能になります。


脛骨内顆のカバーレッジがよくなると脛骨内顆皮質骨上にインプラントが載りますので、脛骨コンポーネントの沈下を抑制できます。また、大腿骨コンポーネントとのトラッキングが改善されることで機械的な屈曲角度が160度を越えるので、多少は術後の関節可動域が改善する可能性もあります。


手術で気付いた点は、まだ発売して間もないためかデバイスが洗練されていないように感じました。また、キール付きの脛骨トライアルがないため、最もインプランテーションが難しい脛骨コンポーネントの設置シュミレーションができないのが難点です。あと、最後のインサートを挿入する際に、軟部組織を完全に排除する必要があるので少々コツが要りそうです。


最後に難点を挙げましたが、総じてなかなか良いインプラントだと思いました。もう少しデバイスがこなれてきたらTKAのメインの機種の一角を占めることになるかもしれません。


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