整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

肺血栓塞栓症 ⇒ 大腿骨頚部骨折 というパターンもあります

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昨日、大腿骨頚部骨折の方が搬入されました。いつものごとく、当日手術を目指して術前検査を施行したところ肺機能が異常に悪かったのです。ルームエアでの動脈血ガス分析は、PaO2 37mmHg、PaCO2 43mmHg、pH 7.5とやや呼吸性アルカローシスでした。


また、心エコーでは肺高血圧を疑う所見(肺動脈弁および三尖弁での逆流血圧の異常高値)を認めました。総合的に判断して肺血栓塞栓症(PTE)を併発していると判断しました。


2日前から呼吸苦と胸痛が出現し、1日前に転倒して大腿骨頚部骨折を受傷したとのことです。PTEを発症してしんどくなったために転倒して、大腿骨頚部骨折を受傷されたようです。
肺炎を発症してしんどいから転倒して、大腿骨近位部骨折を受傷することは多いですが、今回はPTEが原因となったようです。


さすがに麻酔をかけると生命の危険性が高まるので、手術は延期して内科入院でPTEの治療を施行していただくことになりました。





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THA: 表面置換型人工股関節置換術は全置換術よりも早期再手術率が高い

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Medical Tribune Vol.46, No.4で、表面置換型人工股関節置換術は全置換術よりも早期再手術率が高い という記事がありました。

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ブリストル大学臨床科学部整形外科 Ashley W. Blom教授
Lancet (2012; 380: 1759-1766)


・ 表面置換術では、関節面が常に金属同士である
・ 骨温存可能なため、表面置換術は従来のTHAの代替療法として若年患者に施行されることが多い
・ 2003.4月~2011.9月にイングランドおよびウェールズにおいて、初回人工関節手術を受けた434560例のデータを抽出
・ そのうち31932例が表面置換術であった(7.3%)
・ 術後7年以内に再手術が行われた症例数を調査した
・ 大腿骨頭サイズが小さいほど再手術率が高い
・ 55歳の女性の場合、再手術率がTHAの5倍であった

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この研究結果を受けて、Blom教授は「表面置換術を受けた女性の再手術率は、許容できないほど高い。女性は大腿骨頭サイズが小さいことが多いため、表面置換術を施行しないことを勧める」と強調されているようです。


表面置換術は手術手技が難しいのですが、結果がここまで悪いと敢えて表面置換術を選択する理由が無くなりますね。インプラントの選択は長期成績を確認してから決定する方が、患者さんの利益になるように思います。




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手術前の絶飲食時間は何時間程度が安全なのか?

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今日の午前は、出張先で外来をしていました。
お昼に製薬会社の方による説明会がありましたが、本日のお題は経口補水液
(Oral Rehydration Solution; ORS)でした。


試飲するとまずくはないのですがあまり積極的に飲みたい味ではありませんでした。例えていうとポカリスエットを薄くしたような味です。


さて、その説明会の中で、2012年7月に日本麻酔科学会が公開した術前絶飲食ガイドラインの話がありました。欧米各国ではガイドラインが広く作成されているようですが、本邦でも安全な術前絶飲食時間の短縮に寄与することを目的として術前絶飲食ガイドラインを作成したとのことです。要点は下記のごとくです。


術前絶飲時間

摂取物  絶飲時間(時間)
清澄水      2
母乳        4
人工乳・牛乳   6


※ 清澄水=経口補水液(Oral Rehydration Solution; ORS)と考えてよいようです


清澄水の摂取量については,複数の研究が最大で体重あたり10mLあるいは無制限を採用しており、患者が飲める範囲内での摂取は問題ないと考えられています。


固形食の摂取については、ガイドラインでは明確な絶食時間を示されていません。その理由は液体に比べて固形食に関するエビデンスが不十分であること、固形食の定義が明確でなく、含まれている栄養素も様々であるからとのことです。


一方、欧米のガイドラインでは、固形食のうち軽食については摂取から麻酔導入までは6 時間以上空けることとしています。 ここで指す軽食とは 「 トーストを食べ清澄水を飲む程度の食事 」 とされています。揚げ物、脂質を多く含む食物、肉の場合は8 時間以上空ける必要があるようです。


※ 術前絶飲食ガイドラインは、
こちらからダウンロードできます




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