整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

人工股関節再置換術(ポリエチレンライナー交換)のポイント

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今日の午前の手術は、人工股関節再置換術(ポリエチレンライナー交換)でした。
12年前に施行されたセメントレス人工股関節の症例で、ポリエチレン磨耗による大転子部の骨融解が進行してきたため手術を行うことになりました。


再置換術時の瘢痕組織の量は個人差が大きく人それぞれですが、前回手術時の創がどのような状態かで、ある程度内部の瘢痕組織の量を推定できます。つまりケロイドになっている方は瘢痕組織の量が多いですし、創がほとんど分からないような方は瘢痕組織の量も少ない印象です。


再置換術の際には瘢痕組織の切除が必要ですが、どの程度切除するとよいのでしょうか?切除しすぎると関節が緩くなるので、私は最小限の切除に留めるべきかなと思います。骨表面に少しだけ軟部組織を残しつつ、基本的には骨に沿って切除します。


あと、画像所見よりも骨融解の範囲は広いことが多いので注意が必要です。新しいデブリスが発生しなくなると骨融解の進行も止まるので、基本的にはポリエチレンライナーを交換して骨融解部にオスフェリオンを充填するだけでOKです。


ポイントは単純X線像やCTの画像をよく読影して、再置換術のタイミングを逸しないことだと思います。時期を逸すると骨折を併発したり、全てのインプラントを再置換するハメになります。

小児に対する消炎鎮痛剤処方 その2

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小児に対する消炎鎮痛剤処方 その1 のつづきです。


小児外科では術後患者さんにアセトアミノフェンの倍量投与(20 mg/kg)で対応している施設が多いようです。周知のようにアセトアミノフェンは解熱効果は高いものの、鎮痛効果は非常に弱いです。したがって、鎮痛効果を得るために倍量投与となるそうです。


アセトアミノフェンの倍量投与で肝障害を併発しても投薬を中止すれば軽快します。ロキソニン投与でライ症候群やインフルエンザ脳症を併発した場合の損失と比較すると、アセトアミノフェンの倍量投与の方がリカバリーが効くというのが小児外科医の言い分だそうです。


私もこの話を聞いてから19歳未満の患者さんに消炎鎮痛剤を処方せざる得ない場合には、アセトアミノフェンの倍量投与で対応することにしました。やはり、疑問点があれば専門家に確認することが重要ですね。

小児に対する消炎鎮痛剤処方 その1

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整形外科医であれば、小児の骨折などを治療する機会は多いと思います。保存的に治療する場合は消炎鎮痛剤処方の必要性は少ないですが、手術を行う場合は少々やっかいです。


成人であれば、術後にロキソニン等の消炎鎮痛剤を処方することが当たり前ですが、小児の場合には消炎鎮痛剤処方によって
ライ症候群(Reye's syndrome)やインフルエンザ脳症を併発する可能性があります。


米国のFDAでは19歳未満の患者さんには、アスピリン含有薬品を投与しないことを推奨しているようです。一方、わが国ではロキソニンの添付文書上で禁忌や慎重投与の扱いにはなっていません(小児では安全性が確立されていないとの記載は有り)。


しかし、小児科専門医の先生にお伺いしたところ、日本小児科学会のコンセンサスでは小児へのロキソニン投与は控えた方がよいとのことでした。


小児に対する消炎鎮痛剤処方 その2 につづく

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