整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

肉芽組織が上皮化しない時は・・・

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先日の外来で、交通事故後の殿部挫創の患者さんを診察しました。
受傷後1ヵ月以上経過してからの初診で、創がなかなか治らないという主訴でした。


創を診察すると、中央がカリフラワー状の肉芽となっており上皮化が進展していないようです。肉芽上に壊死組織はありません。むむっ!この風景はどこかで見たことがある・・・


それは、こちらの患者さんでした。肉芽が盛り上がりすぎたときは、ストロンゲストのステロイド外用剤を塗ると上皮化することが多いです。形成外科でよく使う治療法だそうです。


整形外科医的な考え方では、「上皮化しないなら、不良肉芽を切除してしまえホトトギス」という織田信長を彷彿させる荒々しい(?)治療をしてしまいがちです。



しかし、このような創では、「上皮化しないなら、ステロイド外用剤を使ってみようホトトギス」という豊臣秀吉的な治療(?)が望ましいです。


肉芽組織にストロンゲストのステロイド外用剤を塗布したところ、この患者さんでも数日で殿部のカリフラワー状肉芽組織が縮小してきました!


整形外科医としてはあまり見ない創ですが、2例目を経験することで治療の引き出しがひとつ増えました。ブログをしていると、医師としても成長しているような気がします(笑)。






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ゲートキーパー医師は羨ましい?

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大学同期の医師同志で飲みに行くことがときどきあります。
同期と言えども科や働いている環境が異なるため、面白い話を聞けることがあります。


最近感じたのは、医師間の差がかなり大きいことです。具体的には「ゲートキーパー」の立場に居る医師は、特に羽振りが良い点です。


ゲートキーパーとは狭義には門番のことですが、私の中では「キャッシュポイントの支配者」の立場の医師と定義しています。


整形外科医の中で具体例を挙げると、 脊椎外科医、リウマチ医、関節外科医が御三家です。これらを専門とする整形外科医は、それ以外の領域の医師と比べて何かと恵まれています。


脊椎外科医はインストゥルメンテーション、リウマチ医はバイオ製剤、関節外科医はインプラントという高額なモノを選択する立場に居るため、メーカーに対して大きな力を持っています。


この中でも脊椎外科医はとび抜けています。バイオ製剤やインプラントは償還価格切下げ圧力が強いですが、インストゥルメンテーションは新規性のあるものが続々投入されているからです。


このようなゲートキーパー的な立場を目指して専門分野を決める人はあまり居ないですが、医師人生に意外なほど大きな影響を与えると思います。


しかし、問題点は現時点でのゲートキーパーは将来のゲートキーパーを約束するものではないことです。10年後に現在の状況が続いている保証は全くありません。


その意味では、「偶然」 選択した分野がゲートキーパー的な要素が強いのであれば非常にラッキーです。ただし、見た目の派手さほどには実際のメリットを得ている人は少ないです。


ファシリテーターになって海外に何度も行くと言っても、手残りはたかが知れています。時流に乗っていることを自覚しながらも、 現状を客観的に見つめる冷静さも必要だと思います。





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必要なら術中再手術も厭わずに

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以前、私の師匠のひとりの先生の手術に入っていた際のできごとです。
この先生は、私の知る限りでは股関節外科医としては最高レベルの実力の持ち主です。


いつも、いとも簡単に手術を終了させるのでトラブルはほとんど発生しません。ちょっと世界が違うなと感じていたのですが、術後の単純X線像でカップCE角が0度になったことがありました。


臼蓋形成不全も高度であるため、カップの初期固定性がイマイチです。術前計画ではカップをもう少し高位に設置する予定でした。


術後の単純X線像を見てしばらく考え込まれていました。主治医でない気楽な立場の私から見て、カップを入れ直した方が術後は安心してリハビリテーションできそうです。


もちろん、術直後から全荷重しても問題なく経過する可能性もありますが、カップが脱転してしまう危険性もあります。う~ん、どうしたものでしょう。


当然、術後なので手術の疲労も多少あります。そして、再度仕切り直しの手術を行うことは、周囲のスタッフからの「えっ~、やり直し??」という無言のプレッシャーもあるはずです。


仕切り直したからと言って、確実に手術がうまくいくとは限りません。こうなってくると、自分の精神力との戦いになってきます。


もし、自分がその先生の立場なら、「感染リスクもあることだし、今日のところはこれで様子をみよう」と思ってしまいかねないです。しかし、この先生は違いました。


5分ほど悩まれた末、その場で再手術を決意したのです。 患者さんのリスクを総合的に考えると、この判断は英断だと思いました。確かに今からもう1度やり直しはキツイです。


しかし、術後経過が不良となる可能性と、感染リスク・自身の疲れ・やり直しても必ずしもうまくいく保証が無いことを天秤にかけても、この時の判断は妥当だと思いました。
 


このような状況で再手術の決断をできる人は少ないと思います。ちなみに再手術はステムを抜去した上で、理想的な部位にカップを設置することに成功しました。


術後単純Xをみて、その場で再手術の決断をするメリットは下記のごとくです。

  • 抜糸するだけなので展開が容易
  • 瘢痕しておらず軟部組織の柔軟性が保たれているため展開が容易
  • まだ術中所見を明確に覚えているためオリエンテーションをつけやすい


手術室を出ておらず麻酔の抜管もされていないとは言え、再手術の決断は重い選択肢です。しかし、冷静に客観的に状況を見極めて判断することが優秀な外科医の条件だと思います。 






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