整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

書評: リウマチ病学テキスト

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今日は書評です。


関節リウマチは、整形外科の中でも進歩が特に著しい分野のひとつです。まさに日進月歩なので、評価の確立した成書も無い状況です。このような状況なので、初学者が関節リウマチをマスターしてアップデートしていくのは少しハードルが高くなってきています。


日本リウマチ学会専門医でも月単位での情報をアップデートしている医師はそれほど多くないのではないでしょうか。
現在のMTXと生物学的製剤を基本にした関節リウマチの治療体系を俯瞰するために、”リウマチ病学テキスト”は最もお勧めの書籍です。




                       リウマチ病学テキスト



私自身、リウマチ専門医試験で取得した知識と実際の臨床で必要とされる知識のギャップに悩まされました。大学のリウマチ医に相談したところ勧められた書籍が、リウマチ病学テキストでした。


2~3回通読することで全体像を掴むことができます。全部で500ページほどですが、180-450ページまでは不要でしょう(骨粗鬆症等の整形外科医なら誰でも知っているもの、およびSLE等の整形外科医には不要な内容)


肩関節脱臼

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私が日常診療で苦手意識がある脱臼は、肩関節脱臼と顎関節脱臼です。
もちろん、顎関節脱臼は耳鼻科や口腔外科領域の外傷です。
しかし、”関節の脱臼”ということで整形外科医なら簡単に整復できるだろうと期待されます。
顎関節の解剖はよく分からないので、いつもひやひやしながら整復しています。


肩関節は、若年者、高齢者および脳梗塞後の脱臼ともそれぞれ問題点があって徒手整復に苦手意識があります。まず若年者は、筋肉が発達していることが多く、無麻酔では整復できないことが多いです。特にラグビー選手の整復は難渋することが多かったです。


昔は、ヒポクラテス法・コッヘル法などをやっていましたが、無麻酔では成功率が低かったです。
現在では下記のアルゴリズムです。


①まず、患肢に 3-5kgのリストバンドを装着して、Stimson法を30分間行います。
②整復不可なら静脈麻酔をかけてもらい、ヒポクラテス法もしくは90-90度法で整復します。麻酔下ではあっけなく整復可能です。


次に高齢者や脳梗塞後の脱臼ですが、骨の脆弱性があるため骨折を併発することがあります。
実際、私が5年目の時に無麻酔で整復を試み、上腕骨3 part骨折を併発した苦い経験があります。したがって、骨脆弱性のある場合も、上記①②の方法で対応しています。


結論的としてStimson法で整復不能の場合には、無理をせずに静脈麻酔をかけてもらって愛護的に整復することが望ましいのではないかと考えます。肩関節脱臼ごときで静脈麻酔なんて!という意見もあるかと思いますが、100例中1例でも骨折を併発すると後が大変です。何事も安全第一ではないでしょうか。


特発性大腿骨頭壊死症(ION)のTHA

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今日の午前の手術も人工股関節全置換術(THA)でした。
若年者の両側特発性大腿骨頭壊死症でした。


若年者の特発性大腿骨頭壊死症(ION)のTHAは、高齢者のOAと異なった特徴があります。
まず、解剖学的に寛骨臼に関してはほぼ正常な症例がほとんどです。
次に、骨質が良好なので高齢者のOA股と異なり極めて”固い”のです。


これらの特徴が、特にTHAでカップの設置に際して大きく影響します。
通常、カップは1mmアンダーサイズまでのリーミングに留めます。
しかし、IONのTHAでは同サイズリーミングまで行わざるえないことが多いです。
骨質が固すぎるため1mmアンダーサイズリーミングでは、カップを寛骨臼内にしっかり固定できないのです。


高齢者のOA股と比べて一見簡単そうに見えますが、実はIONに対するTHAの難易度は高いと思います。
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