整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

TKAにおけるエキスパートの視点

このエントリーをはてなブックマークに追加

今日の午前は人工膝関節全置換術(TKA)でした。
一般的には、THAと比べて術者の技量の差による影響が少ない印象ですが、実は結構奥が深いと思います。たしかに経験年数が浅くてもそれなりには終了できますので、THAのようにどうしようもない状況に陥る可能性は低いです。


ただ、エキスパートの手術を見ていると、明らかに手術の際の視点が違います。
つまり、”鳥の目で術野全体を俯瞰できるかどうか”が、技量の差に直結します。


TKAではアライメントが非常に重要なので、少し離れたところから下肢全体のアライメントのチャックを何度も行います。普通の術者では、距離感でいうと50cmぐらいなのですが、エキスパートでは2mぐらい離れたところから全体のバランスを俯瞰するイメージです。また、しつこいぐらい靭帯バランスを確認します。


あまり成書には書かれていませんが、TKAでは20段階ぐらいのチェックポイントがあります。
それを一つ一つ着実にクリアしていくことで、確実なインプランテーションが可能となります。

関節リウマチのT2T治療の意義

このエントリーをはてなブックマークに追加

関節リウマチのT2T (Treat to Target) 治療の意義についてまとめます。
SDAI, CDAI,DAS28などの指標や、ACR/EULAR 寛解基準を基準にして、明確な数値目標を設定して、それに到達するまで評価と治療内容の見直しを繰り返すことを明記した点が非常に斬新です。


T2T治療は関節リウマチにかぎらず高血圧症や糖尿病でも導入されている概念ですが、明確な数値目標を設定して、それに到達するまで評価と治療内容の見直しを繰り返すことで、治療成績を上げています。


ただし、SDAI, CDAI,DAS28などの指標やACR/EULAR 寛解基準は、全ての症例で関節リウマチの活動性や機能障害の程度を正確に評価しているとは言い難いのでは?と思います。
指標を妄信するのではなく、目の前の患者さんの状態を見て、関節の腫れを触って感じるのが一番大事なんでしょうね。

腎機能障害例での消炎鎮痛剤(NSAIDs)の選択について

このエントリーをはてなブックマークに追加

THA予定の患者さんで腎機能障害をきたしている方が何名かいます。
推算糸球体濾過量(eGFR)が、25-35mL/min/1.73㎡程度でした。
慢性腎臓病(CKD)の病気分類ではstage 4の”高度低下”となるようです。


http://www.kyowa-kirin.co.jp/ckd/check/check.html


術後抗生剤の用量調整は行いますが、NSAIDsを投与するべきか悩みます。
術後に鎮痛剤無しはかなりかわいそうですし、ストレス性消化管潰瘍併発の危険性もあります。
DVT対策で抗凝固療法を行う(eGFR>30mL/min./1.73㎡の方のみ)ので、持続硬膜外チューブ留置も気持ち悪いです。


そこで、少しでも腎臓の負担が少ないNSAIDsはどれかを調べてみました。
ロキソニン  → 肝代謝、腎排泄
セレコックス → 肝代謝、肝排泄
ハイペン   → 肝代謝、肝排泄


添付文章上は、セレコックスもしくはハイペンが、まだましなようです。
ハイペンは腎機能障害例でも通常量での投与可と記載があったので、今回はハイペンにしようと思います。


2012.5.29 追記

腎臓内科医さまに、NSAIDs間の腎機能障害に差は無いとのご指摘をいただきました。
これを受けてNSAIDsの使用は止めて、アセトアミノフェンでの対応にしようと思います。
御教示いただき、誠にありがとうございました。





 ★★ 『 整形外科の歩き方 』でお宝アルバイト獲得のための基本講座を公開中です! ★★


      


アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

医療研究を身近な存在とし、医療の未来を作る


管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。