今日の午前は人工股関節全置換術(THA)でした。
滑膜性骨軟骨腫(osteochondromatosis)による二次性股関節症の症例でした。


滑膜性骨軟骨腫症は、関節の中に多数の遊離体を形成します。この遊離体は関節の滑膜組織由来で、良性の腫瘍性病変と考えられています。この遊離体が関節内に嵌頓して変形性股関節症を併発するのです。


股関節を展開すると、径10~20mm程度の軟骨性の遊離体が股関節内に多数存在しました。
可及的に遊離体を摘出すると、シャーレ一杯分になりました。


理由は分かりませんが、寛骨臼側の骨質は良好であったにもかかわらず、大腿骨頚部の骨質はかなり悪かったです。


注意点として大きな遊離体が残存すると、それがインピンジメントの原因となって易脱臼性をきたす可能性があります。試験整復の際に脱臼傾向をみとめれば、遊離体の取り残しがないかを再度確認するべきでしょう。