今日の午前は、膝関節外側部の滑液包切除術でした。
腓骨神経が滑液包に圧迫されて痛みの原因になっていたようです。


滑液包切除術や軟部腫瘍切除術は、簡単そうに見えて意外と苦戦することが多い印象です。MRIなどの画像をみていると、簡単にボロッと取れそうなイメージが浮かびますが実際なかなかそうはいきません。


皮下を切除して腫瘍や滑液包の表面までは簡単に展開できますが、裏側に展開を進めるにつれて周囲の軟部組織が邪魔をして視野が不良となってきます。多くのケースで母床と茎(pedicle)を形成しており、癒着している場合もあるので一塊で切除するのは意外と難しいのです。


癒着しているところは剪刀での剥離ではなく、ある程度割り切って電気メスを使用する方が、手術がスムーズに進行するかもしれません。


また終盤戦にはいると、被膜を破ってしまうことがよくありますが、この場合には損傷部位を縫合してそれ以上の内容物の漏出を防ぐのも一法です。