急速破壊型股関節症に対するTHA  その1 のつづきです


これ以上奥にはリーミングできず、予定より2mmオーバーまでサイズアップしました。ほとんど海綿骨が無い状態だったので予定通りトライタニウムを選択してインパクションしましたが、カップが十分に固定できませんでした!


この手のカップで初期固定を得られなかったのは初めてです・・・。後から考えると、もうワンサイズ大きくしてもよかったのかもしれませんが、前壁が膜状なのでリーミングやカップインパクションの段階で前壁骨折を併発するリスクが高くなります。


結局、もう一度軽くリーミングしてからインパクションして、3本のスクリューで固定しました。経験則から、カップ本体の固定性が不良の際でも、スクリューが3本ともしっかり効けば翌日からの全荷重歩行に耐えられると思います。


このようなカップ固定性が不良の場合の注意点として、スクリューを刺入するとカップの外方傾斜角が若干大きくなる傾向があります。あまりに大きくなってしまう場合にはカップの再設置を躊躇してはいけません。


結構、経験を積んでいるつもりですが、いまだに冷やっとする場面が時々あります。手術ってやっぱりコワいですね・・・。