今日の午前は、人工膝関節全置換術(TKA)でした。
今日の症例は、比較的若年で膝関節可動域も保たれているため、CRを選択しました。


大腿骨転子部骨折の手術で、スクリューの刺入角度や刺入部位を皮膚上にマーキングしている医師を見掛けます。私達は、これと同じ要領で術前に透視下に下肢アライメントを皮膚上にマーキングしています。この工夫をすることで、インプラント設置の精度が上がっていると自負しています。


具体的には、麻酔導入の時点で透視を使用して下記のマーキングを行っています。


1. 股関節中間位での大腿骨頭中心の位置を透視下に確認し、
     心電図モニターの電極シールを目印として皮膚上に貼付します
  (ミクリッツラインの確認)

2. 透視下に足関節正面像を確認し、下腿前面の皮膚上に
  15cm程度の脛骨骨軸に平行な線を引きます
  (脛骨髄外ガイドが脛骨骨軸に平行であるかの確認)


この方法で、より正確なTKAの骨切り角度を得ることが可能となります。
THAでも術前に透視下に手術台の傾きを調整しています
少しでも術中の不確実性を減らすための工夫です。




※ TKAの手術記録のテンプレートが必要な方は、私の運営するサイトら自由にダウンロードしていただけます。ただし、手術記録のテンプレートはあくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行っていただけますよう重ねてお願いいたします