慢性鎮痛に対するトラムセットの投与方法 のつづきです。


副作用対策ですが、悪心・嘔吐は数日で軽快していくケースが多いように感じます。そこで投与開始時の悪心・嘔吐を回避するために、屯用としてプリンペランを3錠×7日分処方しています。トラムセットは増量する毎に悪心・嘔吐を併発することが多いので、2週目以降も初回に投与したプリンペランを流用してもらいます。


次に便秘ですが、これはマグミットやプルゼニドなどの緩下剤で対応可能なことが多いです。副作用としてはこの2つ(悪心・嘔吐と便秘)が主な症状なので、処方をルーチン化することである程度回避可能だと思います。


最後になりますが、トラムセットはほとんどの症例で鎮痛効果を得られるので、器質的な痛みの原因を見落としてしまう可能性があると感じています。痛みが軽快すれば、喉もと過ぎれば・・・的な状態になってしまい、癌の脊椎転移などの発見が遅れてしまうことがありそうで怖いです。



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