今日の午前は出張先の病院での外来でした。
手根管症候群の方に対してリリカを処方したのですが、300mgでも効果がありません。
出張先では神経伝導速度を測定できないので正中神経の終末潜時(DL)が不明なのですが、保存治療を希望されているのでできるだけのことをしようと思っています。
リリカの次の手として、密封療法(ODT療法)を選択しました。ODTとは occlusive dressing techniqueの略語で、私の中ではリリカの登場までは第一選択に近かった治療法です。
手関節掌側の皮膚にモビラート(今ではボルタレンゲル等)を塗布して、表面をラップで覆う治療です。就寝前にODT療法を毎日行うと2-3週間で手根管内の炎症が軽快して疼痛が緩和されることが多いです。
手根管内へのステロイド注射や外固定はなかなか選択しにくいです。しかし、ODT療法は効果を期待できる割には、侵襲が少なく気軽に施行可能だと思います。
ODT療法を1ヵ月続けても効果が無ければ無効と判断します。注意点として、たまにかぶれる方が居るので、その場合は中止する必要があります。
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