Medical Tribune Vol.46, No.14で、高尿酸血症は正常腎機能者の高血圧発症リスク という記事がありました。

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高尿酸血症は正常腎機能者の高血圧発症リスク
第46回日本痛風・核酸代謝学会
山陰労災病院循環器科 太田原顕先生



・ 成人男性の高血圧発症の予測因子を検討するため後ろ向きのケースコントロールスタディを施行

・ 対象は、2001~2003年に同院人間ドックを受診した高血圧、糖尿病、脂質異常症の既往の無い65歳未満の成人男性

・ このうち、8年後に再度追跡可能であった338例(平均年齢53歳)

・ 高血圧発症群(HT群)と非発症群(NT群)を比較した

・ ロジスティック回帰分析をおこなったところ、SBP、血清尿酸値、年齢が独立した高血圧発症リスクであった

・ 初年度SBP/DBP (117±8 / 74±8.8 mmHg 対 110±10 / 69±9 mmHg)、血性尿酸値(6.4±1 mg / dL 対 5.8±1 mg / dL)、年齢(56歳±5歳 対 53±6歳)

・ この間のeGFRの低下はなかった


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腎機能低下に依存しない高尿酸血症は高血圧発症のリスクとなるようです。整形外科医は、外来で痛風発作を契機に高尿酸血症の治療を行うことは多いと思います。


この研究結果は、長期間におよぶ高尿酸血症の治療に対する患者さんへの動機付けにもなる良い報告かなと思いました。






          
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