昨日は、朝一番から日整会に参加していました。お目当てのセッションは、産業医大の内田宗志先生の「Femoroacetabular impingementおよび臼蓋形成不全に対する股関節鏡視下手術」です。


内田先生は当ブログと
相互リンクをいただいています。いつもながら素晴らしい講演でした。下記に要点をまとめます。ちなみにFemoroacetabular impingement(以下、FAI)とは、Ganzが股関節痛を引き起こす病態として報告して以来、股関節鏡視下手術の技術が飛躍的に進歩しています。


・ FAIは、大腿骨骨頭から頚部オフセットの骨形態異常からインピンジメントを引き起こすCAM impingement、寛骨臼蓋の骨棘や形態異常によるPincer Impingementからなり、両者が合併していることが約86%と報告されている


・ 両者がインピンジすることにより、関節唇損傷を来たし、次第に軟骨損傷を惹起する


・ 保存療法に3ヶ月以上抵抗する場合、早期にスポーツ復帰を希望する患者には、股関節鏡視下手術の適応となる


・ 股関節鏡は以下のずべてを満たす場合に適応となる
  ① 単純X線像でFAIが疑われる 
  ② 3ヶ月以上の保存療法でも効果がない 
  ③ 関節造影MRで関節唇損傷が疑われる 
  ④ 患者の希望


・ 手術は、寛骨臼側のRIM Trimmingもしくは 関節唇縫合+大腿骨側のCAM osteochondroplastyを組み合わせる手術を行うことが多い


・ 新しい試みとして臼蓋形成不全のFAIに対応するため、タナ形成術の併用も行っている


タナ形成術は直視下で施行しても骨片の挿入角度や溝作成が難しいですが、あれだけの小皮切で施行されているのはすごいなと感じました。



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