昨日の午後は中節骨の内軟骨腫(enchondroma)に対する腫瘍切除術でした。
中指中節骨の中央から遠位にかけての内軟骨腫で、中指の痛みが持続していました。


基節骨の内軟骨腫であれば背側から進入して伸筋腱を繊維方向にスプリットすればいいのですが、中節骨なのでlateral bandを損傷しないように側方から進入しました。


1.0 C-wireで中節骨の皮質骨をミシン目状にドリリングして、骨ノミを用いて開窓します。内部には糊のような白色の腫瘍があるので鋭匙で掻破します。


内軟骨腫であれば非常にスローグロースです。このため多少腫瘍の取り残しがあっても再発に時間がかかるため、臨床上はさほど問題になることはありません。


掻破した後に骨移植するのですが、昨日はβ-TCP(オスフェリオン)を充填しました。α-TCPの方が取り残した腫瘍の発育を阻害するため望ましいという説もありますが、スローグロースのためβ-TCPを選択しました。




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 骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)