今日の午前は、外来でした。
1週間前に椅子から転落して上腕骨外顆骨折を受傷した3歳児の保存治療を施行しています。


整形外科医であれば正確な単純X線正面像をみれば、一目瞭然で骨折の有無が分かりますが他科や整形外科としての経験が浅い医師では見逃しがちな骨折だと思います。


痛がって肘関節を完全伸展できないケースが多く、転位が1mm程度の場合には母床と重なって単純X線正面像で骨折部が分からないこともあります。


ちなみに転位1mmは保存治療可能な限界の転位です。現在治療中の児も受傷後1週目の今日の単純X線正面像はやや肘関節屈曲位で撮影されたため骨折が分かりませんでした。


経験を積んだ整形外科医であれば初診時の局所所見をみれば外顆骨折の見当がつきますが、完全伸展できていない単純X線正面像には注意が必要です。


上腕骨外顆骨折を疑うがどうしても肘が伸展できない場合には、前腕をやや浮かせた状態で上腕に合わせて正面像を撮影すればよいと思います。


治療は2mm以上の転位で手術適応です。1mmの転位の場合には3-5日に一度は単純X線を施行して転位の増悪がないことを確認する必要があります。




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