今日は午後から自己血貯血を行いました。管理人の勤めている病院では毎週月曜日の午後から、人工関節全置換術施行予定の患者さんの自己血貯血を行っています。


ここ数年、毎週のように自己血貯血を行っているので、自己血採取の技術には相当自信を持っています。まあ、比較的どうでもよい範疇の技術に分類されると思いますが(笑)。


17Gという相当太い針で穿刺するので、太い静脈を捜す必要があります。血管が太い方は問題ないですが、太っている方では皮下のかなり深いところに静脈が埋没していることが多いので、穿刺は難しいことが多いです。


また、太っている方は静脈径も細い傾向にあり、整形外科医泣かせな方が多いのも特徴です。さて、静脈径の細い方に穿刺してうまく血管内に入っても、径が細過ぎるため貯血スピードが極端に遅くなるケースがあります。


このような場合には収縮期血圧と拡張期血圧の間の圧となることを目標にして、比較的緩く上腕を駆血します。すると、収縮期には上肢に血液が流入しますが拡張期には中枢に戻らないため、だんだんと血管が拡張していくので貯血スピードが上ります。


これでも貯血スピードが不十分な場合には、ベッドの高さを上げてやると気圧の助けによって貯血スピードが上がります。このような細かい工夫をしながら苦労して自己血貯血する場合も結構多いように感じます。


もちろん、貯血スピードは速過ぎると危険ですが遅すぎるとルート内で凝血してしまい、採取した血液が無駄になってしまうので注意が必要です。




       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

       
       総論   (診察・診断、治療全般、骨折・外傷、周術期管理)
 

       各論   (手の外科、肩関節、脊椎、股関節、膝関節、足の外科、腫瘍)

       その他 (関節リウマチ、痛風・高尿酸血症、骨粗鬆症、専門医試験)