昨日の午前は人工膝関節全置換術(TKA)でした。
80歳台ですが、骨質が良くて非常にスムーズに手術を行うことが可能でした。
私はTKAの術前に股関節・膝関節・足関節を同時に撮像するCTを施行しています。これは、大腿骨顆部のcondylar twist angle(CTA)および下腿の外旋角を計測するためです。
もちろん、condylar twist angleの計測だけなら単純X線像のkneeling viewでも可能ですが、いずれにせよ術前からcondylar twist angleを正確に把握することが可能です。
私は、TKAでもTHAでも骨の上にどんどんマーキングをしています。最近まで大腿骨顆部のcondylar twist angleを確認する目的で、上顆軸(clinical epicondylar axis)も術中に線を引いていました。
尚、condylar twist angleとは後顆軸(posterior condylar axis)を基準としたclinical epicondylar axisとなす角度のことで、大腿骨コンポーネントの回旋設置角の指標となります。
しかし、術中にはposterior condylar axisが正確に分からないことと、術中に引く上顆軸の正確さに疑問を持ったのでこのステップは省略することにしました。節約できる時間は約2分といったところでしょうか(笑)。
小さな改善の積み重ねが手術時間の短縮につながるのかなと考えています。
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