昨日の午前の手術は、人工股関節全置換術(THA)でした。
連日の手術で、手指のDIP関節が痛いです(笑)。
私は、主に前外側進入でアプローチしています。後外側アプローチと比べると軟部組織の量が多いため、展開に少々苦労することがあります。昨日の方もかなり大柄な方だったので、筋肉量が多くて少し大変でした。
下方の関節包の切除や寛骨臼周囲の骨棘を切除することで寛骨臼のリーミングまではスムーズに施行可能ですが、カップのドリリングの際に苦労することがあります。軟部組織の量が多いので術野全体がタイトなのです。
通常、カップのドリリングは20~25mmで施行しますが、至適位置のホールは限られているので軟部組織が邪魔でカップに垂直にドリリングしにくいことが多いです。
このような場合に、カップに対してそのまま斜めにドリリングしてしまうと、スクリューを最後まで挿入できずに往生することがあります。ほとんどの機種で、スクリューは20度以上傾けられないのです。
しかし、ドリル長が20~25mmもあると、いきなりカップに垂直にドリリングすることができません。このような時には、まず15~16mmの短いドリルで垂直にドリリングしてから20~25mmに変更すると、垂直にドリリングできることが多いです。
軟部組織が邪魔でカップのドリリングを垂直に施行しにくい症例では、一度試されてはいかがでしょうか。
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初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です
人工股関節全置換術
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