今日の午前は外来でした。3週間前に他院で大腿骨頚部骨折に対して人工骨頭挿入術を施行された方が通院リハビリテーション目的で紹介受診されました。


手術そのものは問題無く、術後X線像も至適位置にインプラントが設置されていました。しかし、本日の単純X線像で小転子部と大転子部にかなり派手な異所性骨化を併発していました。


この方は患側の股関節可動域が不良で、屈曲40 度・外転20度しかありませんでした。本日の紹介目的は股関節の可動域訓練でしたが、骨化期に可動域訓練を行うと異所性骨化が増悪します。


残念ながら股関節の可動域制限は残ってしまいそうですが、股関節の可動域訓練は行わずに、ダイドロネルによる異所性骨化進行の予防治療を優先する必要があると判断しました。


骨折の術後ですが、人工骨頭挿入術ではあまり単純X線を施行しないと思います。しかし時々異所性骨化を併発するので、早期発見のためにも定期的に単純X線を施行するべきかなと思いました。




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