昨日のお昼過ぎに、御世話になっている大学の先生から電話がありました。大学の外来に大腿骨頚部骨折の患者さんが受診したのですが、満床のため対応できないのでそちらで治療をしてもらえないかとのことでした。


患者さんは60歳台で関節リウマチ+B型肝炎の治療を受けているそうです。過去にMTXで肝機能障害を併発したようで、PSL 10mg + ETN にて治療しており、更にバラクルードも服用しています。


20年前の発症のムチランス型RAで、これまでに環軸椎後方固定術・両TKA・右THAを施行されているそうです。これだけの既往を聞くと腰が引けてしまいますね(笑)。


しかし、いつもお世話になっている先生からの依頼なので引き受けることにしました。午後15時ごろに到着されて単純X線像をみると、外反嵌入型ですが定義上はGarden stage 3でした。しかし、カルカーの転位は1mm程度です。


股関節の関節裂隙は狭小化していませんでしたが、関節リウマチなので人工骨頭挿入術を行うと将来的にcentral migrationする可能性があります。しかも、PSL + ETN +バラクルード投与中という易感染性がベースにあります・・・。


このような諸条件を勘案して、まずはハンソンピンで経皮的に骨接合術を施行することにしました。大腿骨頭壊死もしくは偽関節を併発した場合には、後日THAにコンバートするという戦略です。


16時から執刀開始して17時に病棟に入院となりました。いわゆる当日手術で、いつもながら我が病院は機動性が高いです。まずは1ヵ月程度免荷して経過観察しようと思います。


※ ハンソンピンの手術記録のテンプレートが必要な方は、私の
運営するサイトから自由にダウンロードしていただけます。



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