私は回復期リハビリテーション病棟も担当しているため、高齢者の入院患者さんを受け持つことが多いです。整形外科の比較的若年の患者さんと比べて、注意点が異なることに最近気付きました。
若年の健常者で38度台の熱発が起こっても、たいていは感冒です。しかし、高齢者で38度以上の熱発が起こった場合には注意が必要です。
そもそも高齢者は免疫能が低下しているので、多少の風邪では熱発しません。それにも関わらず38度以上の熱発が発生するということは、重大な感染症を併発している可能性が高いのです。
まだ経験の浅い頃は、高齢者が38度台の熱発を起こしても感冒の可能性を念頭に1~2日程度様子を見るというスタンスでした。しかし、ことごとく肺炎や尿路感染症を併発していたのです。
そこで最近では、免疫能が低下している高齢者が38度以上の熱発を起こすことは、治療を要する合図であるという認識に変えました。例えば午前中に熱発した場合、間髪入れずに採血・胸部の単純X線像・検尿をすぐ依頼します。
当初はやり過ぎかなと思っていましたが、ほとんどの症例で(誤嚥性)肺炎や尿路感染症を併発していたので、この意識改革は有効なのかなと思いました。
先手を打つことで重症化するリスクの芽を早期に摘んでしまうのです。「高齢者の熱発、恐るべし」を肝に銘じて日々の診療にあたっています。
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