今日の午前は出張先での外来でした。
前胸部を打撲してから1週間経つのに痛いという方が初診されました。
単純X線像では正面・斜位とも明らかな骨折は無さそうでした。しかし、かなり痛くて日常生活で困るということだったので、念のためにCTを施行したところ、矢状断の再構成画像で骨折を認めました。
改めて比較しましたが、やはり単純X線像では骨折は判定できませんでした。CTの画像でははっきりと骨折の転位を認めるのですが、単純X線像では骨折が判然としないのです。
日常診療で胸骨骨折や肋骨骨折を疑っても、CTまで施行することはあまり無いと思います。しかし、よく言われるように身体所見で叩打痛や呼吸時痛があれば、骨折の存在を強く疑うべきなのでしょう。
全例でCTを撮影するのは過剰診療だと思います。しかし交通事故などで診断を確定する必要のある症例では、CTの矢状断での再構成画像は意外に有効な診断ツールだと思いました。
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