昨日の午前は、橈骨遠位端骨折に対する骨折観血的手術でした。今回は、日本MDM社が販売している、ORTHO DEVELOPMENT社のMODE Distal Radius Plate Systemを使用しました。


この橈骨遠位端掌側用プレートは、Watershed Line Design plateです。使用した感想は、ユーザーフレンドリーで良いデバイスが揃っていると思いました。


今回のデバイスの中で特に感心したのは、”デプスロッド”というロッド状のデプスゲージでした。通常、ロッキングスクリューは橈骨遠位骨片の背側皮質を貫通させません。デプスロッドは、この特性を利用しています。


計測方法は、手前の掌側皮質のみドリリングして、背側皮質に当たるまでデプスロッドを挿入します。こうすることで、透視下に確認することなくスクリュー長の計測が可能となるのです。


従来は透視下に側面像を確認しながらドリリングしてスクリュー長を計測することが多かったです。しかし、この作業が省けるので被爆量の軽減と手術時間の短縮を見込めます。


現時点(2013.11.27)では、日本MDM社のシステムでしかデプスロッドを利用できないです。しかし、よく考えてみると通常のデプスゲージでも、同様に計測可能であることに気付きました。


つまり、手前の掌側皮質のみドリリングして背側皮質に当たるまでデプスゲージを挿入することで計測可能なのです。これは久々にヒットな手術のウマイ工夫だと思いました。


尚、デプスロッド挿入時の際には、やや強い力で挿入しないと背側皮質に到達しないので注意が必要です。慣れるまでは透視下に背側皮質まで挿入できていることを確認した方が無難です。



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