昨夜は日・当直でした。
年末なので、包交の方が多数来院されました。


外科系当直なのでさまざまな創の処置を行います。その中の1人に熱傷の方が居ました。初診時につけられた病名が3度熱傷なのですが、受傷後1週間現在で皮下の壊死を認めません。


この方に診断書の発行を要求されたので、病名を確認するために日本熱傷学会が定義する熱傷の定義を調べました。熱傷深度は下記のごとくです。




深度       傷害組織          外見             症状

Ⅰ度       表皮角質層まで      発赤・充血         痛み・熱感

Ⅱ度
 ・ 浅達性  表皮基底層まで       水疱・発赤          強い痛み・知覚鈍麻
 ・ 深達性  真皮乳頭下層まで     水疱・やや白い発赤   強い痛み・高度の知覚鈍麻

Ⅲ度       真皮全層・皮下組織    壊死・炭化         無痛・知覚脱失




この方の場合、創面が赤くて鈍いながらも知覚は残存していたので、深達性Ⅱ度熱傷と判断できました。したがって病名のⅢ度熱傷を訂正して、Ⅱ度熱傷という病名で診断書を発行しました。


尚、浅達性Ⅱ度までは患部を湿潤環境で保護して上皮化を待ちます。深達性Ⅲ度以上は、熱傷の範囲が広ければ植皮術を検討する必要があるようです。



       
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