昨日の午前は出張先での外来でした。
30歳ぐらいの女性が1ヵ月前から続く痛みを主訴に初診されました。


スポーツ歴や外傷の既往は特にありません。痛みは足関節後方に限局していました。単純X線像では距骨後方に三角骨を認めました。圧痛部位はアキレス腱停止部と微妙に違います。


足関節底屈で痛みが出るので、三角骨障害と診断しました。さて治療ですが、私はまず消炎鎮痛剤を7~10日程度連続服用していただきます。


三角骨障害の本態は、三角骨と内側結節の間を走行する長母趾屈筋腱炎だといわれています。このため腱鞘炎の治療として、消炎鎮痛剤の連続服投与で局所の炎症を抑えるのです。


ある程度消炎鎮痛剤を投与しても炎症が軽快しない場合には、ステロイドの腱鞘内注射を施行しています。更に、底屈を制限するテーピングも併用するとよいと思います。


どうしても痛みが軽快しない場合には三角骨切除術を行います。最近は、鏡視下三角骨切除術も行われていますが、結構難しいので最初の頃は足の外科医の指導下に施行する方が無難だと思います。




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