今日の午前はアルバイト先の外来でした。
腰痛や下肢痛で困っている方が多く、今日もたくさんの腰椎疾患患者さんが来院されました。


その中のひとりに腰椎椎間板ヘルニアの方が居ました。半月前から症状が増悪して日常生活での制限が大きいため、インターネットでいろいろ調べた上で紹介状目的で受診されました。


その内容に驚いたのですが、何と紹介先として希望されているのがPLDD(Percutaneous LASER Disk Decompression: 経皮的レーザー椎間板減圧術)のクリニックだったのです!


未だにPLDDを看板に掲げているクリニックがあることに驚きました。その悲惨な長期成績を知っているだけにさすがに紹介はお断りしましたが、「切らずに治せる」は魅力的なのでしょうね・・・。


この患者さんの情報源も患者さんの体験談や芸能人の情報(?)がほとんどで、まともな整形外科専門医もしくは脊椎外科専門医の情報はほぼ皆無でした。


試しに「PLDD」で検索してみると、出るわ出るわのPLDD賛歌のオンパレードです・・・。整形外科医や脊椎外科医の常識とインターネットでの常識(?)は180度異なることに気付きました。


この状況はかなりアブナイと思いませんか?「なぜ、国が保険適応を認めていないか理由を考えて下さい」と言っても、ネットが得られる情報がこれだけ歪んでいるとどうしようもないです。


インターネットの世界では未だに魑魅魍魎な情報が跋扈しています。この方に仙骨ブロックを行ったところ、かなり症状が軽快して喜んで帰院されましたが少し複雑な気持ちです。


インターネットの影響力の大きさを改めて実感しましたが、医療に関しては悪貨が良貨を駆逐している印象を受けます。日整会や脊脊学会主導で何とか現状を打開して欲しいものです。




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