今日の午前の手術は、人工股関節全置換術(THA)でした。
高齢の骨盤後傾が著明な方で、広義の急速破壊型股関節症(RDC)でした。
RDCは骨質が脆弱なため手術が難しいことが多く、私の中ではやや苦手意識があります。更にこの方の股関節は可動域が広く、脱臼リスクが高い症例と判断せざるを得ませんでした。
私は股関節外科医なので症例に応じてアプローチを変えます。今回の問題点は易脱臼性なので前外側アプローチを選択しました。後外側アプローチに比べて関節の安定性が抜群だからです。
私は、①体型が普通+②易脱臼性の症例は前外側アプローチを、若年者で早期の社会復帰が必要な症例では梨状筋温存の後外側アプローチを選択しています。
これらに当てはまらない症例はケース・バイ・ケースですが、最近では梨状筋温存の後外側アプローチを好む傾向にあります。やはり後外側アプローチは、術者も患者さんも楽ですから・・・
※ 股関節が専門ではない整形外科医は、前外側でも後外側でも良いので自分の得意なアプローチをひとつ決めて、その経験値を高めることを目指すべきだと思います。
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股関節学
コメント一覧 (3)
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- 2014年04月11日 13:38
- 私の場合、ホーマン鈎ではなく寛骨臼前方用の鈎を使用しています。幅が10~15mmぐらいで柄が90度曲がっているものです。各社いろいろな鈎を出しているので比較されたらいかがでしょうか?
寛骨臼前方に鈎を挿入する前に、助手に大腿骨を天井方向に持ち上げてもらいます。そのタイミングでエレバトリウムを寛骨臼前方に挿入して鈎が入る道を作ります。その後、寛骨臼前方用の鈎を挿入しています。
大腿骨の排除がイマイチで寛骨臼が充分に展開できないときには、頚部骨切りを追加することが多いです。前外側アプローチでは6時方向の関節包を切離することでも対応可能ですが、後外側ではこの手法を使えません。
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- 2014年04月11日 20:55
- なるほど、ありがとうございます。
エレバを挿入して道をつくってみるというのは
よさそうですね。今度試してみます。
THAは症例によって難易度も違いますが、
うまく入れば患者さんの満足度も高い手術ですね。
コツをつかんで後輩に伝えられるようになればと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
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脊椎メインの病院に勤めながら、股関節専門医を目指しております。THAを後側方アプローチで行っているのですが、臼蓋の展開が下手くそです。ホーマン鈎を臼蓋前壁にかけるときに苦労しています。
なにか、特別な工夫をされていればご教授ください。
前側方は仰臥位でされていますか?