今日の午前は外来でした。
68歳の男性が左膝関節のMRIの結果説明で再診されました。


この方は、3月初旬に突然発症した左膝関節痛で夜間もかなりの痛みがあるとのことでした。単純X線像では
kellgren-lawrence 分類 grade 1で、ほとんど所見を認めませんでした。


典型的な特発性大腿骨顆部骨壊死症の症状だったので、発症後2週間の時点でMRIを撮像しました。画像は下記のごとくでbone marrow edemaをきたしています。



Fat suppression





そして、よく見るとTIWIで大腿骨内顆に小さな低信号領域を認めます。したがって診断は特発性大腿骨顆部骨壊死症です。



T1WI




しかし大腿骨頭壊死症ではband像が出現するまで発生後4~6週間掛かります。大腿骨顆部ではなぜ発症後2週間でも骨壊死像が出現しているのでしょうか?


おかしいな~?と思ってこのブログを書いていたら、ふと今回の症例も痛みの「発症」がMRI撮像の2週間前であって、骨壊死の「発生」はもっと前であった可能性が高いことに思い当たりました。


そうか、膝骨壊死であっても股関節の大腿骨頭壊死症のように、「発生」と「発症」の時期は違うのかもしれない!と妙にマニアックなことを考えさせられた1日でした(笑)





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