今日の午前は外来でした。
7週間前受傷の示指指尖部損傷の患者さんを診察しました。


この方は末節骨先端が欠損していたためアルミ法で治療をしています。通常受傷後4~5週もすると先端は上皮化しますが、今回はカリフラワー状の肉芽形成となり上皮化が進展しません。


滲出液はさほど多くないのですが、いわゆる不良肉芽である可能性が高いと判断しました。単純X線像で骨髄炎の有無を確認しましたが、むしろ末節骨先端に骨形成しつつあるほどです。


肉芽組織内の感染を疑って、アルミ法を通常のガーゼ保護に変更しました。その上で抗生剤を4日分処方しました。そして今日診察したのですが、肉芽組織にほとんど変化がありません。


このため抗生剤は無効と判断して、不良肉芽組織の切除を行うことにしました。肉芽組織切除では、かなり出血することが予想されるため、伝達麻酔下に手術室で処置を行う予定にしました。


今までアルミ法を多数施行してきましたが、このような状態になった患者さんを経験したことは初めてです。この処置でなんとか上皮化が進展して欲しいものです。




             ★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。
特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく
実践的な医学書です。




                                                   

                                        
            
手の外科の実際                       私の手の外科―手術アトラス